【獣医師監修】ウサギの寿命について。長生きしてもらうためにできること
ウサギがどれくらい生きられるか知っていますか? 家に迎える前に、寿命の話なんて…と思うかもしれませんが、どれくらいで大人になり、高齢期はいつから、と理解しておくことは、長く元気でいてもらうために大切です。ウサギの寿命や年齢ごとの特徴を理解し、健康管理に活かしましょう。
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長
ウサギの寿命
ウサギの寿命には個体差がありますが、一般的に5~8年くらいといわれています。ウサギは、犬や猫のように、病気の予防で動物病院を訪れるケースが少ないこともあり、実際の寿命がなかなかわかりにくいのですが、平均して6~7年くらいまで生きるウサギが多いようです。
しかし、中には10年以上も生きるウサギもいて、ギネスに認定された最長寿のウサギは何と18歳! 最近は、飼育環境などが向上したことで、10歳前後のご長寿ウサギが珍しくなくなっており、飼い主の意識次第で、長く健康でいてもらうことはできそうです。
ウサギの寿命の違い
ウサギの品種は、ARBA(American Rabbit Breeders Association)公認品種が49種類。耳が立っているウサギ、垂れているウサギ、短毛や長毛、毛の色など、品種によって見た目はかなり異なります。しかし、ペットとして飼われているウサギの場合、先祖がアナウサギで、ルーツが同じであるため、品種による寿命の違いはないそうです。つまり、何歳まで生きられるかは、個々のウサギや、飼い主の意識やケアによって変わってくるのです。
ウサギの年齢と人間の年齢
ウサギの年齢を人間に当てはめると、生後3ヶ月で4歳、半年で14歳、1年で20歳くらいになります。生まれて1年で、ぐんと成長することになりますね。3歳では30歳代、5歳では50歳前後。品種による違いや個体差はありますが、繁殖が可能になる時期はオスが生後7~8ヶ月、メスは4~12ヶ月前後で、小型の品種ほど早い傾向があります。
ウサギは5歳を超えると、人間でいう中高年を迎え、人間と同様にカラダのあちこちに不調が出やすくなります。実際、動物病院の受診例から、5~6歳で命を落とすウサギが多いそうです。そして、人間で70歳前後にあたる7歳を過ぎると、体力も食欲も落ち、8歳になる頃には(人間の70代後半)活動が低下し、じっとしていることが増えてきます。
ウサギの寿命 長生きしてもらうために
家に迎える前から、専用のケージや運動できるスペースなど適切な飼育環境を整えましょう。年齢に合わせた食事の工夫や、「病気かな?」と感じた時にすぐに受診できるよう、ウサギの診療ができる動物病院の情報も集めておきたいものです。
環境
ケージの置き場所は、できるだけ静かで、気温の変化が少ない場所がおすすめです。健康な大人のウサギは、16~21℃程度が最適な温度とされ、とくに暑さに弱いので、夏場は注意が必要です。
運動不足は、肥満やストレスの原因。1日に一度はケージの外に出し、走り回ったりできるよう、室内には運動するためのスペースを設けます。ぶつかってケガをしないよう、家具やものがある場所は避けましょう。サークルを用意し、運動タイムに囲ってあげると安心です。
食事
ウサギの食事はイネ科牧草をメインに、体重の1.5%未満のフードと少量の野菜が理想的です。ついついおやつをあげすぎるなど、油断するとたちまち肥満に。ウサギの体型の変化を把握するため、定期的に体重を測定するのがおすすめです。ダイエットが必要なウサギの場合は、専用のフードを使用するなど、食事に気を配りましょう。とくに人間の中高年にあたる4〜5歳になる頃には、フードを見直すことで、病気の予防に役立てることができます。
健康管理
ウサギは、犬や猫のような鳴き声を立てず、カラダの不調が見えにくい動物です。小さな変化に気づいた時にすぐに受診できるよう、飼い始めて3~4ヶ月を過ぎる頃までには、かかりつけの動物病院を探しましょう。ウサギを診察できる病院はそれほど多くないので、インターネットで調べたり、電話で問い合わせしたりして、ウサギを診察してもらえるか確認しましょう。
適切な準備と日々の健康管理で、大切なウサギに長く健康でいてもらいましょう。