【獣医師監修】猫がよだれを垂らしている。原因や考えられる病気、治療法、予防法について

猫がよだれを垂らす…この光景を見たことがある人は、なかなかいないかもしれません。そもそも猫は、犬のように普段からよだれを垂らさない動物だからです。逆にいうと、猫がよだれを垂らしている時は、何かしらの異常があるかもしれません。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫がよだれを垂らす原因

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よだれ(唾液)は、緊張感がある時は分泌量が減り、リラックスしている時は分泌量が増えるものです。だからといって、ダラダラとよだれが垂れている状況というのは通常起こりません。

また、猫の食事はやわらかいものが多いことから、口腔内に歯石・歯垢が溜まりやすいです。それは、口腔内のトラブルが起こりやすいという意味でもあります。もし、猫がよだれを垂らしていたら、口腔内にトラブルが発生しているサインかもしれません。また、歯周病以外の病気でも、よだれを垂らすことがあるので要注意です。

口腔内の疾患

猫がよだれを垂らす時には口内炎や歯周病が考えられます。猫の口内炎は、口腔内細菌の関与、ウイルスの関与、免疫異常などが原因だと考えられており、強い痛みから食事が食べられなくなることもあります。また、傷や腫瘍が原因になることもあり、痛みや異物感からよだれがたくさん出ます。

刺激物の摂取

苦いもの、辛いもの、刺激があるものなどを舐めたり食べたりした場合、過剰によだれが出ることがあります。
よだれをたくさん出したり、顔を振ってよだれを飛ばしたりしている時は、何か変なものを舐めてしまっていないか、周囲を確認してみましょう。

誤飲

異物が喉や食道に詰まったり、上顎に挟まってしまったりすることで、よだれがたくさん出ることもあります。

神経症状

神経症状としてよだれが出ることがあります。原因としては、てんかん、脳障害(先天性、外傷、感染症、腫瘍、炎症など)、中毒、低血糖、高血糖、電解質異常、腎疾患、肝疾患、など様々です。熱中症によるものもあります。

猫のよだれの治療・予防方法

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猫が「危ないよだれ」を垂らさないようにするために飼い主ができることは、以下のような対策です。

●猫が誤飲しそうなものを室内に置かない
●真夏に換気の悪い部屋に放置しない
●口内ケアを怠らない

とくに、最後の口内ケアについては、日頃から歯磨きの習慣付けをすることが大切です。口内炎・歯周病の予防につながるだけでなく、口腔内の異常の早期発見にもつながります。

よだれそのものは異常ではありませんが、よだれがたくさん垂れている状況というのは病気や事故のサインである可能性が高いです。

いつもと様子が違うなと思った時には、すぐに動物病院で診てもらい原因を特定しましょう。その病気に合わせた治療を行うことでよだれは治まりますし、何より初期症状で処置が終われば大事に至らずに済みます。そのためには、しっかりと猫の様子をチェックしておくことが大切です。

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