ウーパールーパーの飼育方法と、飼育に必要な道具について

かつては遠いメキシコの湖で暮らしていたウーパールーパー。飼育のコツを覚えて、愛くるしいニコニコ笑顔に毎日癒されましょう。

  • サムネイル: 羊田ユウジ
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ウーパールーパーってどんな生き物?

ウーパールーパーは、メキシコのソチミルコ湖とその周辺に生息するサンショウウオの仲間です。ウーパールーパーはペットとしての俗称で、メキシコサラマンダーまたはメキシコサンショウウオが正式な和名です。

現在は絶滅の可能性がある生物としてワシントン条約によって輸出入が規制されているため、日本で飼うことができるのは、国内で人工繁殖されたウーパールーパーです。本来は黒っぽい迷彩柄のようなマーブル色ですが、ペットとしては黒い色素を持たないアルビノや、アルビノ個体を改良したゴールデンと呼ばれる体色のウーパールーパーが多くみられます。体色は大きく分けて、ホワイト黒目(リューシスティック)、アルビノ、ゴールデン、マーブル、ブラックの5種類。そのほか、ペットショップではめったに見かけることのない斑点模様が特徴的なダルメシアンなど、レアカラーと呼ばれる体色もあります。

全長は10~25cmくらいで、なかには30cmくらいまで成長する個体もいます。幼生の姿のまま成熟する珍しい生態のため、ウーパールーパーは愛くるしい容姿を保ったまま成長しますが、ごくまれに条件が整うとウーパールーパーの特徴でもあるひらひらとしたエラがなくなり、大きなイモリのような成体になることも。個体差はありますが、寿命は平均5~8年程度といわれ、飼育環境次第では10年以上生きることもあります。

ウーパールーパーの飼育道具

水中で生活するウーパールーパーの飼育道具は、金魚とほぼ同じです。

水槽

水槽はウーパールーパーが生涯暮らす家となります。成長した時のことを考えて、最低でも幅30cm以上、できれば幅45~60cmの水槽を選びましょう。成長すると排泄物で水が汚れやすくなりますが、十分な広さのある水槽であれば水質も安定します。ウーパールーパーは水槽の底を這って歩くことが多いため、高さはさほど気にする必要はありません。

水槽内備品

水質を安定させるためのろ過器(フィルター)と水温計は必須です。ろ過器がないと、ウーパールーパーがフンをするたびに水を換えなければなりません。水槽のふちにかけるだけの外掛け式フィルターがあれば、水換えの頻度は1週間に1度程度、高性能の上部式フィルターなら、水換えは2週間に1度で大丈夫です。また、ウーパールーパーは水温が高いと弱ってしまうので、水温計による水温管理は重要です。

エアレーションによる酸素の供給によって、ウーパールーパーの動きは活発化します。ただし、エアレーションによる強い水流が原因で体力を消耗し、逆効果になる場合もあるので、空気の量を少なめにするなどして緩やかな水流になるよう調整しましょう。
底に敷く砂利は、バクテリアが繁茂することで水質を安定させる働きがありますが、ウーパールーパーがエサと一緒に砂利を誤飲することがあります。砂利を敷く場合は誤飲してもフンと一緒に排出できるように、粒の細かい1mm以下のものを選びましょう。

水草は水質を浄化する働きがあるだけでなく、視覚的にも楽しめます。また、ウーパールーパーの寝床や隠れ場所として、土管も入れてあげたい備品です。

その他

ピンセットとスポイト、水換えのためのバケツとホースは用意しましょう。ピンセットはエサやりの時に、スポイトは食べ残しのエサやフンを取り除く時に使います。
また、水換えをする場合は、水道水を1日汲み置きしてカルキを抜く必要があります。カルキ抜き剤があると、汲み置きの手間が省けて便利です。

ウーパールーパーの飼育方法

ウーパールーパーは単独飼育が基本です。小さいうちに混泳させて、個体の大きさに差が出ると共喰いのおそれがあります。混泳させる場合、または繁殖させる場合は、ある程度成長してから同じようなサイズを選びましょう。

水槽の設置

水槽は、丈夫な台や棚の上に水平にして置きましょう。地震なども想定し、ある程度の揺れに耐えられるものが好ましいため、出来れば専用の水槽台を用意すると安心です。

設置場所は、日光が直接当たるところは避けてください。直射日光が当たると、コケの発生や水温の上昇などで水槽内の環境が悪化しやすくなります。熱を持つ電化製品も同じく水温上昇の原因となるので要注意です。
また、水槽にはろ過装置が必須なので、コンセントの場所にも注意しましょう。

適切な飼育環境

水温は5~25℃が適温です。水温が28℃を超えると、ウーパールーパーにとって危険な環境となるため、夏は要注意の季節です。夏の水温を下げる機器は水槽用のファン、あるいは水槽用のクーラーを使用するほか、室内用クーラーで室温を保つ方法もあります。冬は屋内飼育の場合、水温5℃以下になるケースはほとんどありませんが、万が一水温5℃以下になる環境であればヒーターを用意しましょう。また、水温計を選ぶ際は、水温が設定温度以上になるとアラームが鳴るタイプを選ぶと、水温管理のタイミングを教えてくれるので安心です。

エサの与え方

カラダが小さい子どものウーパールーパーには、アカムシやイトミミズなどの生餌か冷凍餌を1日1度の頻度で与えます。体長15cmほどまで成長したら、専用の人工飼料を主食とし、生餌、冷凍餌を副食としながら、2~3日に1度の頻度で与えます。ただし、人工飼料の中には水を吸って膨らむタイプのものもあるので、エサの種類とウーパールーパーの体調に合わせて、与える頻度を調節しましょう。1回に与える人工飼料の量は5~10粒程度が目安ですが、食べる様子を見ながら適量を把握してください。

ウーパールーパーは、与えれば与えるだけ食べてしまう大食漢です。とくに、生餌は大好物。エサをねだる仕草がかわいく、慣れると飼い主の手から直接食べるようにもなりますが、エサのやりすぎには注意しましょう。ウーパールーパーも、食べすぎると当然肥満になったり、吐いたりしてしまいます。また、エサの食べ残しは水質悪化の原因にもなります。

容姿も仕草もかわいらしく、飼い主の姿を見れば反応してくれるウーパールーパー。人工養殖されているとはいえ、希少な絶滅危惧種です。一日でも長く一緒に暮らせるよう、愛情を込めて、大切に育てましょう。

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