ソマリってどんな猫? 歴史やカラダの特徴について
大きな耳と華やかな襟回り、ふわふわのしっぽを持つソマリ。アビシニアンの長毛種版として知られ、赤毛のキツネのような容姿がキュートな猫です。
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ソマリの歴史
ソマリはアビシニアンの長毛種版ですが、このブリードが確立するのには少し時間がかかったようです。アビシニアンは非常に古くからいる猫種であり、19世紀の後半から純血種として繁殖がスタート。すらりとした美しい姿で愛好家を魅了し、20世紀の初めには世界中の猫血統管理団体に登録されていました。
しかし、戦争により世界中で純血種の猫が激減。大戦後は猫種の存続・復活のために様々な異種交配が行われました。アビシニアンも例外ではなく、その結果、アビシニアンの長毛種が生まれたと考えられたため(近年の研究では、長毛になったのは異種交配が原因ではなく突然変異であったという説もあります)、長毛のアビシニアンが生まれることは純血の育成に反するとして、当時は否定的に捉える繁殖家も多かったといいます。とくに、このアビシニアンの長毛種は一般的な長毛猫よりも被毛が短く、セミロングよりもやや短いという、ほかの猫にはない被毛の長さであったことも影響していたようです。
アビシニアンのブリーダーは、長毛の猫はショーには出せないと、ペットとして一般の飼い主に譲ることが多くありました。しかし、ここで転機が訪れます。
1963年、カナダのキャットショーで、繁殖者メアリー・メリングはちょっとしたいたずら心で長毛のアビシニアンを審査用のケージに入れ、ほかのアビシニアンのケージと混ぜておきました。審査のためケージから猫を取り出したショーの審判員ケン・マッギルは大変驚きましたが、それと同時にあまりの美しさに感嘆の声をあげました。マッギルはメリングに長毛のアビシニアンをオーダーし、ここからソマリの育種が始まったといわれています。
同じ頃、アメリカでは繁殖家のイブリン・メイグという繁殖家が、長毛の遺伝子を持つ2匹のアビシニアンを交配していました。イブリンは、生まれた仔猫を友人を介しペットとして一般の飼育者に譲渡しました。しかし、譲られた相手は、猫アレルギーのため飼い続けることができなくなり、猫を保護施設に譲り渡してしまったのです。
イブリンは繁殖をしながら、キャット・プレイスメントという猫の引き取り手を探す動物愛護団体で働いていました。ある時、持ち込まれた美しい長毛のアビシニアンを見て驚きました。しかも、その猫は自身が繁殖し譲った仔猫だということがわかったのです。
仔猫を手元に引き取ったイブリンは、長毛のアビシニアンの品種改良と公認を決意し、育種を始めました。美しいソマリは現在、カナダ、アメリカ以外にも世界中の団体で猫種として登録され、世界中で愛されています。
ソマリのカラダの特徴は?
ソマリはアビシニアン同様、筋肉質なフォーリンタイプの猫です。アビシニアンと違うのは、華やかな被毛です。襟回りの豊かな毛並みと、長いしっぽにふさふさの毛はどことなくキツネを思わせます。標準的な体重は3~5kgとされています。
ソマリのカラーとパターンはアビシニアン同様、トラディショナルカテゴリーのタビーディビジョンのアグーティタビーのみが認められ、毛色はルディー、ソレル(レッド)、ブルーおよびフォーンがあります。
ソマリの顔の特徴は?
ソマリの頭部は丸みを帯びた修正くさび型で、大きな耳が特徴的です。アーモンド形の大きな目には、アイブローペンシルを引いたようなクレオパトララインがあり、よりぱっちりした印象を与えます。 目の色はアビシニアン同様、グリーン、カッパー、ゴールド、ヘーゼルがあります。
しなやかなアビシニアンの魅力に長毛の魅力が加わったソマリは、華やかな印象を持つ大変美しい猫です。
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