小さな命を助けたい。保健所から犬を引き取るには?
保健所では、毎年何万頭もの犬が殺処分されているのをご存知ですか? そんな犬たちを救いたい、犬を飼いたいと思ったら、保健所から引き取る方法があるのです。
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保健所とは
保健所は、公的機関の一つであり、動物に特化した業務を行っています。各都道府県にあり、地域によっては「動物保護センター」「動物愛護センター」などとも呼ばれています。
保健所には、捨てられた犬や野良犬が保護されています。ただし、収容期間は、原則10日ほどとされていて、引き取り手がいないと処分の対象になってしまいます。
ただし、中には殺処分ゼロの実現に向けて働きかけている保健所も多く、動物保護のボランティア団体などのサポートにより、保健所から別の施設へ引き渡すこともあります。
保健所から犬を迎えるには
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迎える前にしっておくこと①-保健所にいる犬の性格-
保健所に収容された犬は、病気や噛み癖がないか、人嫌いではなないかなどの行動観察が行われ、基準をクリアした犬が引き取りの対象になります。
ただし、保健所にいる犬には、飼い主に捨てられた、虐げられたなど、何かしらの過去があると思っていいでしょう。そのため、人に恐怖や不信感を抱いていたり、威嚇行動をとってしまったりする場合もあるのです。
野良犬が産んだ仔犬を保護するというケースはよくありますが、母親と一緒に保護された場合は、人間に対する恐怖心や不信感が比較的少ないようです。
保健所から犬を迎えるまでの流れ
保健所にいる犬を迎えようと思ったら、まずは引き取りたい犬を探します。犬の情報は各保健所がインターネットで公開している場合や、譲渡(見学)時間や譲渡会を設けているところもあります。まずは、地域の保健所に問い合わせてみましょう。
保健所によって違いはあるものの、保健所の犬を迎えるまでの主な流れがこちら。
1.講習会を受講:保健所にいる犬を引き取るためには講習を受ける必要があります。引き取る犬が決まってから、受講する場合もあるようです。
2.申し込み申請:保健所にいる犬を引き取るための登録を行います。
3.マッチング・面談:引き取りたい側と犬との相性の確認や、自治体の職員との面談が行われます。相性が合わない場合や、飼育が困難だと判断された場合は断られることも。
4.譲渡申し込み・誓約書を提出:引き取りたい犬が決まったら、譲渡申し込み・誓約書を提出します。
5.犬を引き取る
このほかに、引き取り先の家の視察や、犬を引き取った後に報告書の提出義務、家庭訪問などを行うところもあります。
迎える際の注意点
犬を譲り受けるための条件
保健所の犬を引き取るには、多くの条件があります。それは、犬を守るための条件でもあります。
条件は各保健所により異なりますが、
・終生飼うことができる
・毎日世話ができる
・家族全員が賛成している
・避妊又は去勢手術を受けさせられる
・犬を飼うことが許可されている住居である
・年1回狂犬病予防注射を必ず受けさせられる
・転居の予定がない
・一人暮らしではない
・現状、犬を飼っていない
などがあります。
譲渡のために必要なもの
保健所に提出する申請書は、保健所からもらいます。適正飼養誓約書の提出、飼育環境が借家や集合住宅の場合は「飼養許可書」の提出が必要となる場合もあります。
譲渡の際は、公的身分証明書・キャリーケージ・登録手数料などが必要です。
費用
保健所からの引き取りを「犬を無料で入手する方法」と思っている人も少なくないようですが、その認識は間違いです。自治体にもよりますが、保健所から犬を引き取る際に畜犬登録費(3000円程度)がかかり、契約の条件に去勢・避妊手術があれば、手術費用も負担しなくてはいけません。狂犬病の予防接種やワクチン代のほか、病気になった場合には医療費もかかります。
犬を迎えた後は、保健所から引き取っても、ペットショップから選んでも同じです。殺処分される犬を少しでも減らすためにも、新たに犬を飼う際は保健所から引き取る方法も考えてみてくださいね。