【獣医師監修】寝相から見る猫の心理。寝相が悪い時の対処法は?

猫の寝相には、意味があるって知っていましたか? キレイに丸まっている寝相の時もあれば、すごくダラッとした寝相の時も…。寝相に表れる猫の心理や意味とは、一体どんなものでしょうか。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

寝相がすごく悪いけど、ウチの猫大丈夫なの!?

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猫の魅力は何といっても、寝ている姿ではないでしょうか。最近は猫の寝相アート画像をSNSやブログにUPする飼い主も多いので、寝相の悪い猫が話題になっています。‟よく寝る子”が猫の語源になったという背景から分かる通り、猫は、寝るのが大好きです。猫は寝ている時が多いだけに、その時々の心理で寝相も様変わりします。

「ウチの猫、なんかすごく寝相が悪い…?」と、中には猫の寝相が悪いので、具合でも悪いんじゃないか心配! という飼い主もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。猫の寝相がすごく悪いといっても、具合が悪いという意味ではありません。

「猫って丸くなって眠るものじゃないの?」と思うかもしれません。ですが、猫は寝相が決まっている訳ではなく、その時の状況によって丸くなったり、仰向けになったり、いろいろなのです。猫は多種多様な姿で眠ります。なので、寝相は猫のお好み次第だと思った方が良いでしょう。

寝相から分かる猫の心理的意味とは!?

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同じ猫でも、普通に寝ている時もあれば、笑っちゃうような姿勢の時もあります。この違いはどこにあるのでしょうか。じつは、寝相というのは、猫の心理によっても変わるものなのです。猫は警戒している時と安心している時では、180度違う寝相で眠ります。飼い猫の状態をチェックするためにも、寝相の違いを覚えておくのがおススメです。

丸くなって寝る時の心理と意味

猫はもともと警戒心の強い動物といわれており、とくに野生で暮らしている時は緊張して眠っていました。いつ敵に狙われるかわからないため、リラックスをして眠るのが難しかったのです。ですから、丸くなる寝相は猫本来のものといえますが、じつは警戒心が解けていない、ともいえるかもしれません。お腹は猫の弱点です。このお腹を守るように、丸まって足を床に付けて眠る時は、警戒しています。これはただ単に寝相が良いというわけではなく、外敵から自分のお腹を守るための守りの姿勢だったのです。いつ襲われても大丈夫なように、構えながら寝る意味があるのです。

警戒心を持っている時以外に、気温が13度以下の寒い時も猫は丸くなります。しかし、警戒している時と違って、すぐに立ち上がる心配がないので足が床についていません。寒いだけの時は、横向きに丸くなって寝ます。いわゆる「猫はこたつで丸くなる~」の図です。

丸くなる寝相の時に飼い主にできることはある?

寒い時に丸くなっていたら、室内の温度を調節して気を配れば良いでしょう。ですが、暖かくなっても、いつも丸くなって寝ている猫はいませんか。もしかしたら他に気になる点があって、リラックスしきれていないのかもしれません。

いつも丸くなっている寝相しか見た事がない、という猫はもともと臆病な性質かもしれません。しかしながら、猫が安心できる空間ではないのでは? いつも誰かが猫にちょっかいを出そうとしていないか? 人通りが多い部屋になっていないか? など何か思い当たる節がないか考えてみてもいいのではないでしょうか。

猫は人間に比べて聴覚が過敏です。飼い主が大丈夫だと思っていても、猫にとって騒音が気になる空間では安心して眠れません。また、人がいつも活発に動き回っている状態も、安心できない要因の一つです。猫のために、静かで日当りの良い部屋を用意出来たら最高です! 臆病な猫のために、猫が安心して眠れる空間を作ってみてくださいね。

寝相が悪い? へそ天は最高に気持ち良いの意味!

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全身を広げたくなっちゃう理由とは!?

猫は安心すると寝相が悪くなります。何も警戒するものがないので、お腹も守る必要がありません。最上級に安心して眠る時は、猫の弱点であるお腹をさらけ出す姿になります。あまりにも全身ダラッとしているので、グッタリしているんじゃないかと間違う時もある位です。

この全身お開き状態で、お腹を天井に向けて仰向けで眠る事を「へそ天」といったりします。弱点であるお腹のへそを天上に向けて眠るのですから、相当警戒心を解いている証ではないでしょうか。野生では絶対見る事が出来ない貴重な寝相です。猫がこの姿になっている時は、最高に気持ちが良いの意味です。

へそ天している時に飼い主ができることはある?

猫がお腹丸出しの寝相だと、お腹が冷えそうな気がしてきますよね。そこで、思わず飼い主は布団や毛布を掛けたくなるかもしれません。しかしへそ天は、暖かく安心している心理状態の時にしかやらない寝相です。猫がへそ天で寝ていたら、気温が暖かく安心しているのだな、と思って毛布などは掛けなくても問題ありません。

へそ天の寝相は、猫にとって最高に気持ちの良い状態です。さらにリラックスすると、人間みたいにバンザイするポーズがプラスされることもあります。バンザイしながら寝ている猫は、最上級にリラックスしていると考えて良いでしょう。このような猫は、空間にストレスとなる一切の不安がないので、安心で幸せなのです。

猫の寝相は、警戒している時と安心している時では状態が真逆だという事が分かりました。これからは、猫の寝相から心理と意味が理解出来るので、より上手く猫と付き合えるかもしれません。飼い主は猫が安心できるように、住環境の温度の状態にも気を配ると良いでしょう。

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