【獣医師監修】猫のダイエット、その方法や注意点について

猫が最近太ってきた…室内飼育の猫の多くが肥満だともいわれています。猫が太りすぎると、様々な健康問題が発生してしまうので、早めに対策に取り組みたいところ。そこで今回は、猫のダイエットについて解説していきます。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

猫がダイエットを必要とする時

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猫は、どのような時にダイエットが必要になるのでしょうか? 多頭飼育であきらかに他の猫よりも太っている、というような場合を除き、自分の猫が太っているのか丁度いいのか、判断ができない方も多いのではないでしょうか。まずは、猫の体格をよく観察してみましょう。

猫が四肢で立っているのを真上から見た際に、ウエストにくびれが確認でき、カラダを触った時に皮下脂肪の下に肋骨の存在を確認できるのが標準体型です。ウエストのくびれが確認できなかったり、横から見るとお腹が垂れている、皮下脂肪が付きすぎて肋骨が分からない、という場合はダイエットが必要です。

猫の食事制限について

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猫の体重を減らすためには、正しい食事制限が必要です。食事制限の方法としては、今までのフードの量を減らす方法と、ダイエット用のフードに変更する方法があります。

ダイエット用のフードはカロリーが制限されているので、量はたくさん食べることができるため満腹感が得られやすいというメリットがあります。

今までのフードを使用する場合は、単純に量を減らすと猫のストレスになるので、1日の給餌量は減らすかわりに小分けにして頻回に与えるなどの工夫が必要です(猫は小腹を満たす、ちょこちょこ食べが適している動物です)。

また、ドライフードよりもウエットフードの方が水分が多く含まれている分、同じカロリーでも食べた時の満腹感は多く得られます。

目標体重や給餌カロリーは必ずかかりつけ医と相談して決めますが、参考までに給餌カロリーの計算方法を紹介しておきます。

(30×現在の体重(kg)+70)×0.8

※肥満の度合いによって計算式は変わる可能性があります。

急激な体重変化は体調を崩してしまうので、1週間で1~1.5%程度の体重減少を目指します。定期的に猫の体重をチェックし、体重の変化を記録します。どのようにすれば、一番安全で効果が出るダイエットになっているかを検証し、適正体重までのスケジュールを考えましょう。

猫の適切な運動量とは?

食事制限をすると同時に、しっかりと運動もさせてあげましょう。体重の増加以外に症状がない猫は、これまで以上に運動量を増やします。とくに上下運動がエネルギーの消費に効果的ですので、キャットツリーを使った遊びや、階段の上り下りをさせる遊びなどで上下運動の量を増やしていきます。

とはいえ、猫は長時間の運動は苦手ですので、1回15分程度の運動にとどめ、この運動を1日2~3回することでダイエットにつなげていきます。また、毎回の食事をキャットタワーの一番上に用意するだけでも、食事のたびに上下運動が必要になるのでお勧めです。

猫のダイエットの注意点

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このように肥満の猫を適正体重に戻していくのですが、その時に以下のような注意点があります。

フード量は少しずつ減らす

上述の通り、フードの回数を分けて1度に与える量を減らしていくのですが、この時に、急激に減らしすぎないようにしましょう。フードを減らす割合も、できるだけかかりつけ医と相談して決めましょう。太っている猫が極端に摂取カロリーを減らすと「肝リピドーシス」という肝疾患を起こす恐れもあります。

猫のストレスに注意する

空腹からイライラしたり、紙などの異物を食べてしまうこともあります。そのような場合は、転がすことでフードが出てくるおもちゃなどを上手に使い、猫がこまめに少量ずつフードを食べられる工夫もしてみてください。

猫の健康を守るためのダイエットですので、猫の様子を見ながら長い目で取り組みましょう。

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