【獣医師監修】ラグドールと長く暮らすために気をつけたい病気やご飯選び
ラグドールと長く暮らすためには、どんな病気に気をつければよいのでしょうか。お手入れや病気のこと、ご飯選びについて紹介します。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
ラグドールのかかりやすい病気
純血種の中では比較的、遺伝性疾患が少ないといわれているラグドールですが、祖先猫の中にペルシャがいることから、ペルシャに多い肥大型心筋症はラグドールでも発症しやすくなっているようです。軽症の場合は無症状ですが、重篤化すると呼吸困難、肺水腫、胸水貯留、心拍数低下、不整脈により突然死などの可能性が高くなります。
この病気になると疲れやすくなるため、じっとしていることが増えるようになります。 運動を好まなくなるだけでなく、飼い主に甘えることが減ったり、食欲が落ちてくることも…。歳を取ると発生しやすくなる病気ですが、年齢にかかわらず「元気がないな」と感じたら、動物病院を受診するようにしましょう。
また、猫全般に多い病気の一つとして、膀胱や尿道に石ができる尿石症があります。ドライフードを好み、水をあまり飲まない猫や、室内飼いで運動不足の猫、歳を取ってくると発生しやすくなる病気で、オス猫の場合は尿道が狭いため症状が重くなることがあります。
病気以外でも、室内が高温になり熱中症になる、輪ゴムなどを誤飲する、電源コードなどを噛んで感電する、お風呂に落ちておぼれるなどの事故も発生することがあります。とくにラグドールのような長毛種の猫は、基本的に暑いところは苦手です。猫が安全に暮らせるよう、生活環境に気を配ってあげましょう。
ラグドールのご飯の選び方
猫の食事には栄養バランスにすぐれたキャットフードが基本です。ドライやウエットなど様々な種類がありますが、「総合栄養食」と書かれたものを主食として選びましょう。近年は長毛専用のフード、肥満対策用のフードなど、様々なフードが販売されています。
ラグドールは長い毛を持つため、毛づくろいの際に飲み込んだ自分の体毛が消化器官内にとどまり、吐きだすことも排便することもできなくなる「毛球症(もうきゅうしょう)」になるリスクが高いです。毎日のブラッシングと共に、猫草やヘアボール対策のフードを選んであげることも検討しましょう。
猫は犬と違い、昼夜を問わずに少量ずつ食べる習性があります。1日分を2~3回に分けて与えるか、フードをいつでも食べることができるように置いてあげましょう。ただし、置いておく場合も常に清潔で新鮮な状態にし、衛生を保つことが重要です。とくに水分の多いウエットフードは、そのまま放置しておくと傷んでしまい下痢などの原因になるので、食べ残しはそのままにせず、すぐに片づけてお皿を清潔に保ちましょう。
ラグドールと長く一緒に暮らすために
ラグドールは、7~8歳を越えた頃になると高齢期に入ります。目や耳、歯、筋肉などが弱くなり、寝る時間が長くなっていきます。高齢になると、とくに身づくろいが苦手になってくるので、ラグドールに多い皮膚炎や毛球症を予防するためにも、ブラッシングやコーミング、目やにを取ってあげるなどのケアをこまめにしてあげてください。
高齢の猫では腎臓系、歯周病、心臓系など、様々な病気にかかりやすくなるといわれています。腎臓系の病気は水分を多くとることが予防につながるので、新鮮な水をたっぷり用意すること、またウエットフードやドライフードをふやかしたものをあげることもおすすめです。
ラグドールがずっと健康でいられるよう、かかりつけの動物病院を決めて、定期検診を受けるようにし、気になることがあった場合はすぐに相談できる体制を整えましょう。
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