【石黒センパイの「犬もの」を探せ!】ゆるし~ば
2018年、戌年にふさわしい柴犬モチーフのミニ狛犬をご紹介します。お正月に飾るもよし、生涯のマスコットにするもよし!(Shi-Ba 2018年1月号 Vol.98より)
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忠実で勇敢、キュートな「番犬」は磁器なのにほっこりやわらかな印象
深く広く楽しめる犬オブジェ あなたの家の「番犬」にぜひ!
「2018年は戌年です!」
そう言われたところで、犬と暮らしているみなさんにとっては「毎年が戌年ですけど、何か?」てなものでしょうか。
まぁ、我が家もそうなのですが、世間一般的に戌年は12年に1度しかこないのですから「ここはひとつ、乗っかっておこうかな」という気もしています。
「今日の撮影のグッズは『番犬』ですよ」、センパイにそう言っても「え、どこどこ?」と、視点が定まらずよくわかっていないよう。
「あれ? ずいぶん大きくてふわふしてるけど」って、それはコウハイです。茶番。
我が家の愛犬•センパイは12歳。前の戌年に迎えたのでした。「干支ひとまわり」そう言ったところで、ポカーンとしているセンパイですが、私としてはそれなりに感慨があります。
「今度の戌年にもう一匹!」といきたいとろですが、なかなかそうもいかないので、まずは、今回ご紹介する『番犬 あ•うん』をお正月に飾るところからはじめてみることにしました。
白雲という細やかな磁土を使い、焼きものの町•瀬戸で製作。首輪のゴムは取り外し可能。素焼きの磁器製なので、色を塗ることもできます。身長約8cm 2体セットで紙箱入り。
この『番犬』たちの「あ!」の天真爛漫さ、「うん」の冷静で賢そうな感じ、こんな2匹が自分の周りにいてくれたら、最高です。
古くから、神社やお寺の護衛を務めてきた狛犬は魔除けの意味もあると言われている縁起物。世界中にあまた守護獣がいますが、左右非対称の「あ•うん」は日本ならでは。「阿吽」は、宇宙のすべてを包含する意味を持っているそうですが、はて?
目や鼻などを手描きで絵付けをしてありますが、素焼きなので自由に色を塗ることができます。愛犬の被毛に似せて彩色したり、顔立ちを特徴のある表情に描き足して遊んでみてください。ゴムの首輪をはずして、お好きなひもやリボンで着せ替え? したり、お好みで衣装を描くのもよし。カスタマイズすることで、より愛着が。
『番犬 あ•うん』を色づけしたものです。すごい! スタッフの方、本気すぎる! 犬種も越えてる! しかもかわいさ3割増し。
こんなふうに楽しみ方もどんどん広げてください。
焼きものの町として名高い瀬戸で、干支飾りや立体のお守り、おみくじを製作している作家さんたちによって製作されている『番犬』。落ちついた存在感は、本格的に作られているからこそ滲み出るものなのです。
この『番犬』を企画•販売しているのは「ここかしこ」。ぜひ、HPをご覧ください。日本古来の伝統を守りつつ、新鮮さを味付け。国や年齢を越えて、誰もが惹かれるメイドインニッポンが揃います。どこかユーモアがあってアーティステックな商品ばかり。「人と違うひと味違ったもの」が好みの方は心くすぐられるはずです。海外へのおみやげにもよい品揃え。
【インフォメーション】
「番犬 あ•うん」 2000円+税
ここかしこ
https://www.kokokashiko.jp/
【センパイとコウハイ】ある日の出来事
家の中が慌ただしい雰囲気になり、大きなケージがリビングに登場。なにげなく置いているつもりですが、大きさが全然なにげなくない……。
10月末、イベントがあり金沢まで行ってきました。我が家、2人と2匹で久しぶりのロングドライブ(運転手は私です)。「猫もクルマで移動できるのですか」と驚かれますが、コウハイは平気なのです(やっぱりへんな猫?)。
最初の時は「ニャーニャー!」と騒いでいましたが、センパイと同じケージに入れてみると安心したのか、それからはおとなしくなり、のんびりとしたもの。2匹寄り添って眠っている様子を見ると、道中もしあわせな気持ちになります。
金沢まで8時間だよ!
今回、帰路は金沢を夜に出発、一路、東京を目指して高速道路を走っていると、後部に置いていたケージから、コウハイが突然飛び出してきて、ぎょっとしました。「イリュージョン?」と思ったけれど、コウハイが自分でファスナーを開け、出てきたのです。
それからはケージ(中ではセンパイが熟睡)の上を陣取り、あちこちに気を配り「ニャー! ニャ、ニャー!」と、ひと晩中おしゃべり。怖がる様子はなく、むしろ気力に満ちた猫教官。私の運転技術が心配だったのでしょうか。おかげで眠くなることもなく、軽快に運転できましたが、コウハイは徹夜してさぞ疲れたのではないかと思います。
石黒由紀子
●いしぐろゆきこ 栃木県生まれ。犬顔犬性格。
女性誌や愛犬誌にコラムやエッセイ、グッズ紹介などを執筆。
新刊『猫は、うれしかったことしか覚えていない』(幻冬舎)が発売中。
http://www.blueorange.co.jp/yuruyuru/
Photos:Minako Okuyama、Masayuki Satoh