【獣医師監修】チワワの鼻づまりの原因や対処法
人間ではお馴染みの風邪の症状、鼻づまり。じつは、チワワも人間と同様、鼻づまりのような症状になることがあります。しかもチワワの鼻づまりは、何かしらの体調不良のサインになっていることが多いので要注意。そこで今回は、チワワの鼻づまりについて解説していきます。
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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
チワワの鼻づまりの症状
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チワワの鼻づまりは、鼻腔・副鼻腔の中で炎症が起きることによって起こります。鼻の中から異物を排出しようとするために鼻水が分泌され、その影響で鼻づまりになるのですが、これは生理的な防御機能によるものです。
チワワの鼻からいつもと違う音がしたり、呼吸が苦しそうな時は、鼻づまりの症状が出ているのかもしれません。
チワワの鼻づまりは、見た目ではなかなかわかりません。鼻づまりを起こしているかどうか確かめるためには、寝ているチワワの顔のそばに手鏡を置いてみましょう。
チワワの鼻息でその手鏡がくもった時は、鼻からちゃんと息が出ている証拠なので、鼻づまりの心配はありません。逆に、手鏡がくもらなかったり、くもり方が少なかったりした場合は、チワワの鼻がつまっている可能性が高くなります。
チワワの鼻づまりには病気が潜んでいる可能性も…
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チワワの鼻づまりは、病気のサインかもしれません。チワワの鼻がつまっている時は、以下のような病気が考えられます。
鼻炎
チワワの鼻腔内にウイルスや細菌・化学物質などが侵入し、炎症を起こしている可能性があります。くしゃみや鼻水、鼻づまりといった、人間の鼻炎と同じような症状が現れます。
副鼻腔炎
副鼻腔(鼻腔周辺の骨に囲まれた空間)に炎症が起きる病気です。鼻炎がなかなか治らず、鼻腔内が長期に渡って炎症を起こしている時に発症します。鼻炎と同様のくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が、慢性的に起こってしまう厄介な病気です。
気管虚脱
チワワに多くみられる病気として、鼻炎と似た症状が現れる気管虚脱が挙げられます。この気管虚脱とは、犬の喉にある気管がもともとの形のまま維持できずにつぶれてしまう症状のことで、なぜそのような症状が起こるのかについては、まだ十分に解明されていません。
チワワを含む超小型犬で、中高齢期以降に発症しやすいといわれていますが、大型犬でも、ゴールデン・レトリーバーには気管虚脱の症状がよくみられます。
とくに、たくさん運動した後や興奮状態に陥った時に、鼻から「ゼーゼー」「ガーガー」という鳥の鳴き声のような音が出たり、咳が多く出たりする場合には気管虚脱が疑われます。鼻炎とは治療方法が異なるので、呼吸音がいつもと違うなと感じた時は、動物病院で診てもらいましょう。
また、チワワの鼻づまりには、病気以外の原因も考えられます。
肥満
チワワが肥満状態になると、気管の周辺についた脂肪が気管を圧迫し、鼻づまりのような症状が出ることがあります。
老化
チワワが歳を重ねると、様々な器官の機能が低下してきます。その中でも、気管の周辺の筋肉の機能が低下した時に、鼻づまりを起こすことがあります。
早めに動物病院に相談しよう
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上述の病気が直接命に関わることは少ないですが、これらの病気を完治させずに放っておくと、ほかの病気を引き起こす原因となります。「いつもと違うな」と感じた時は、すぐに獣医師の診断を仰ぎ、適切な措置を取ってもらいましょう。
チワワの健康を守れるのは、飼い主だけです。病気の早期発見・治療のためにも、日頃のコミュニケーションを大切にしてください。