猫びより
Nyamour♡パリより猫に愛を込めて[1]【from France】

Nyamour♡パリより猫に愛を込めて[1]【from France】

【Cat News Network】(猫びより 2019年1月号 Vol.103より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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猫専門の行動カウンセラーって?

「お犬さま天国」と呼ばれるパリで見かける飼い犬は本当に行儀がよい。ドッグトレーナーが都会のパリで暮らす犬たちを、幼い頃から躾けているからだ。しかし1990年代からペットの数は猫が犬を上回り始める。人々の生活が忙しくなり、小さなアパルトマンも多いパリでは、猫の方が飼いやすいというイメージが浸透したのである。

自宅は憲兵 の兵舎。兵舎とは思えないほど広々とオシャ レで、猫もくつろげます

自宅は憲兵の兵舎。兵舎とは思えないほど広々とオシャレで、猫もくつろげます

一匹と二人。ラブラブ。あふれ出す愛に撮影する側も照れてしまいます

一匹と二人。ラブラブ。あふれ出す愛に撮影する側も照れてしまいます

そこで近年増えてきたのが、「猫専門の行動カウンセラー」というお仕事。カウンセラーとして活躍するマリオン・ルフィエさんは言う。「交通量が多いパリで猫を放し飼いにするのは、とっても危険。パリで暮らす猫たちのほとんどが室内飼いです。でも猫はもともと野性的で独立心のある自由な動物ですから、限られた生活環境ではストレスもあります。私は猫と人が充実した生活を送れるためのアドバイスをしています」

キャットウォー ク風に配置した本棚は、猫もお気に入り

キャットウォー ク風に配置した本棚は、猫もお気に入り

ちなみにマリオンさんに寄せられる相談でもっとも多いベスト4は、「トイレの粗相」「多頭飼いの場合、猫同士の相性」「猫が攻撃的で懐かない」「夜の運動会」なのだとか。マリオンさんは一人ずつの相談に応じるほか、テレビや自著でも猫の魅力や、猫と楽しく暮らすコツを紹介している。
「最近はユニークな相談も増えていますね。洗面所やバスタブにお湯を張ったら、真っ先に猫が入浴するので困っているとか、どうやったらお気に入りのオモチャを見つけてあげられるでしょう? など。都会暮らしに猫が順応しているように感じます」

マリオンさんの自著『Mon Chat&Moi(私の猫と私)』。猫と楽しく暮らすコツを解説

マリオンさんの自著『Mon Chat&Moi(私の猫と私)』。猫と楽しく暮らすコツを解説

いっぽうで、猫は放っておいても勝手に生きていけると思い、食事とトイレ以外の世話はあまりしない飼い主さんがいることも問題だと指摘する。「猫はとても好奇心旺盛です。田舎での放し飼いなら、猫は一日中楽しみを見つけられますが、室内暮らしだと退屈することも。無関心な猫も増えてきていますね」

直したくない癖

ところでマリオンさんの家にいる猫は、ティトゥ(8歳)、ヘルプミー(7歳)、シフー(4 歳)の3匹。辛い生活を送っていたティトゥは耳が欠けたボロボロの状態で保護された。またヘルプミーはその名の如く、公園にある石造りのベンチの隙間に挟まり込んでしまい、身動きが取れず「助けてニャ~」と鳴いているところを、マリオンさんのご主人であるベンさんがベンチを掘り起こして救出した。

耳が欠け、とっても恐がりだったというティトゥも、今ではすっ かりリラックス

耳が欠け、とっても恐がりだったというティトゥも、今ではすっかりリラックス

お仕事中のマリオンさんに、シフーが寄り添います

お仕事中のマリオンさんに、シフーが寄り添います

「シフーは、一時預かりの保護猫だったのですが、その人懐っこさに主人が一目惚れしてしまい、正式に我が家に迎えることにしました。シフーの癖はね……」とマリオンさんが話し始めると、ニコニコと笑ったベンさんがスマホの動画を見せてくれた。そこには洗面所の前で、マリオンさんの肩からお腹までベッタリと抱きつくシフーの姿が。「朝、洗面所で身支度を始めると、シフーが離れないのですよ。お陰で身支度がまったく進みません(笑)。でもこの愛らしい癖を直そうとは思いません。とてもハッピーな時間だから」

憲兵というシビアな職に携わるベンさんも、 シフーからのハイタッチにはメロメロ

憲兵というシビアな職に携わるベンさんも、シフーからのハイタッチにはメロメロ

関係は日々進化していっても、根っこにあるのは猫と人の変わらぬ対等な「個」。「シフーやほかの猫たちの個性あふれる愛情表現は、ZEN(禅)の精神ですべて受け容れます」というのは、猫に恋するカウンセラーならではの言葉なのかもしれない。

(写真・文 堀晶代)

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