【獣医師監修】犬に生の牛肉を与えるメリットと注意点
犬はもともと肉食に近い雑食動物なので、基本的には生の牛肉を与えても問題ないと考えられますが、与え方には注意が必要です。今回は、犬と生の牛肉の関係について解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬に生の牛肉を与えても大丈夫?
牛肉や豚肉、鶏肉を加工したドッグフードは、犬が必要としている栄養素を考慮して作られています。では、その原料となっている生肉をそのまま与えるのは、犬の健康にとってどうなのでしょうか。
結論からいうと、新鮮なものであれば、犬には生の牛肉を与えても大丈夫です。
しかし、牛肉に限らず、犬に生の肉を与える際には、寄生虫や病原性細菌に注意しなくてはいけません。これらが犬の体内に入ってしまうと、下痢や食中毒を引き起こすおそれがあります。
現在では、生肉や内臓などをフリーズドライにしたドッグフードも市販されているので、生肉にこだわらず、そのような製品をうまく取り入れてみるのもいいかもしれません。
生の牛肉に含まれる栄養素
生の牛肉は、犬にとって重要な栄養素をたくさん含んでいます。先述の消化・吸収を助ける酵素のほかにも、鉄分、ビタミンB群などの栄養素や、アミノ酸の一種のタウリン、色素タンパク質のミオグロビンなど、血圧の降下や貧血の予防に効果的な成分も含まれています。そして、何といっても良質な動物性たんぱく質が摂取できるのが最大の魅力です。
このように、犬にとってメリットの多い牛肉ですが、基本的に肉食動物は草食動物の内臓などを食べることで、草食動物が消化した草などの栄養素も得ています。そのため、スーパーなどで購入した人間用の赤身肉を与えても、犬にとって必要な栄養をすべて補えるわけではありません。
海外では実際に、生肉のみを食べていた犬の栄養に偏りが出た、という報告も上がっているほか、生の肉を食べ慣れていない犬は、うまく消化できずに下痢や嘔吐を起こす場合があります。生の牛肉が犬の健康に良いからといって、過剰に与えることは避けましょう。
また、良質なフードをしっかり食べている場合、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時などに参考にしてください。
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