STYLE.1 海月琴葉さん & ナナ
笑って、はしゃいで……お姫様の幸せは家族みんなの幸せです!
太平洋の沿岸に位置する福島県。郊外には長閑な風景が広がるその田園地帯の一角に住む4人家族の海月さんご一家。愛犬ナナ(メス・1歳)と愉快で賑やかな毎日を送っている。
「家族中でナナのこと、かまい過ぎですよね」と、話すのは奥様の香南さん。
そう言われてみると、海月家の皆さん、常にナナの名前を連呼、会話のような声掛け、抱っこや追いかけっこ……。そんな濃厚な愛情とコミュニケーションが、素直で穏やかで人懐っこく、いつもご機嫌なナナを育て上げたのかもしれない。
冬の寒空の下、元気いっぱいに遊ぶ福島県の柴犬さんに会って来た! 家族の真ん中に君臨する愛犬に振り回されながらも、楽しい毎日を過ごす飼い主さん家族の笑顔が印象的だ。
幼い頃から柴犬が大好きだった長女の琴葉さん。ナナを飼う1年以上も前から柴犬を飼いたいと言い続け、定期的にペットショップに見に行っていたそう。やがて、運命の出会いはやって来た。
「ペットショップで2時間、ひたすらナナだけを見つめていましたね。琴葉の粘り勝ちでした」と、香南さん。
一心不乱に砂浜でホジホジするナナ。
「あ~、止まらないよ~」何事にも全力投球のナナなのです。
そうして、生後4ヶ月のナナをそのまま段ボール箱に入れて連れて帰って来たのである。もう、家族一同、お祭り騒ぎ。熱烈な歓迎ぶりに当のナナもさぞや、びっくりしたに違いない。
ご主人の大祐さん、香南さん、どちらの実家でも柴犬を飼っていたため、犬の世話や飼い方に不安はなかったそう。でも、一番飼いたかった琴葉さんは初めて。あれや、これや熱心にナナの面倒を見て、そして、真剣に一緒に遊び、心配も人一倍しているそう。
気分はナナの母、姉、保護者。それもそのはず、琴葉さんは家族みんなが認めるナナの飼い主さんですから!
ドライブが大好きなナナのご機嫌スマイル。大好きな琴葉さんと一緒だからなおさらだね!
一方、大祐さんもナナの散歩係とお手入れ係を率先して担当している。その上、ナナが庭でも快適に過ごせるように数万円かけて立派な手作りハウスを完成させた。ところが何故かナナは一向にハウスに入ってくれない。仕方がないということで今度は出来上がったハウスを購入。しかし、やっぱり入ってくれない。
「雨が降っていてもハウスに入らず、ずぶ濡れのまま呆然としているんですよ」と、大祐さんは苦笑い。
2つのハウス、今ではすっかり広い庭のオブジェとなっているのであった。
おとなしくて、慎重なナナの唯一の友達は、香南さんの実家で飼っているタロー。毎日、仲良く一緒に遊ぶ2匹は、まるで兄妹みたい!?
香南さんは実家が経営する会社に毎日ナナを連れて出勤している。当然、家族の誰よりも長い時間をナナと一緒に過ごしているのだ。会社の敷地にはマイドッグランがあり、実家の愛犬・タロー(オス・2歳)と日がな一日、のんびり過ごすナナ。いつもそばに家族と友達がいる理想的な環境と言ってもいいだろう。
思いっきり遊んだ後はバタンキュー。無防備な、安心しきった寝姿に家族のみんなは癒されるんだって!
さて、琴葉さんの弟・一輝さんは元気いっぱいの小学4年生。ナナにとって友達のような、ライバルのような関係らしい。
「追いかけっこをすると、ナナは一輝には負けないと必死になって闘志を剥き出しにするんです」と、香南さんは笑った。
ナナは家族みんなの惜しみない愛をまるごと受け止め、今日も、明日も、ずっと幸せを噛みしめていくに違いない。もちろん、海月さん家族もナナから優しさや喜びをいっぱいもらっているのかもしれない。だって、みんな家族だもん!
How to keep【ナナの場合】
食べ物は小さいサイズに限る!?
ドッグフードと煮干し、時々茹でた魚や鶏むね肉を細かくして与えているが、食が細いので1回の量を少なめにして、食べたそうにしたら追加する。オヤツも小さくすればペロリと食べちゃう!?
夜型のワタシを起こさないで!
早起きが苦手なナナは朝の散歩に行かないことが度々ある。散歩に誘っても知らんぷりしてソファで寝ているとか。でも、夕方か夜に行く散歩はご機嫌。2回分の散歩をまとめて1回で実行中。
お手入れは黙って、固まるっきゃない
シャンプーは2週間に1回、大祐さんが担当。水が苦手なナナだが、あっさり諦めてフリーズしているらしい。反対にその後が大騒ぎ。そりゃあそうだよね。だって、我慢してたんだもん!
好きなもの、嫌いなもの
ナナの好きな場所はダイニングテーブルの下。何かもらえると思って、オスワリしてひたすら待ち続けるのだ。嫌いなものはハーネス。拘束されているみたいだし、窮屈だし!!
ナナが考える海月家の序列
堂々の1位は海月家の中心に陣取る女王様のナナ。香南さんはお世話役、琴葉さんは姉役、大祐さんは遊び相手、一輝さんは弟兼友達役!? それぞれの役割に大満足の海月家なのです。
Text:Masako Komuro
Photos:Mariko Nakagawa
STYLE. 2 物江 潤さん、麻衣子さん & おじゃる丸
明日、天気にな〜れ!! 家族みんなで行く散歩が大好きなんです
人懐っこくて、愛嬌抜群。人間も犬も猫も、誰だってみーんな友達! と思っている博愛主義者の、おじゃる丸(オス・1歳)は、物江さんご夫婦と一緒に福島県で暮らしている。
「もともと、宮城県に居たのですが、結婚を機に犬が飼える賃貸物件を探して、辿り着いたのが福島市でした」と、ご主人の潤さん。
大好物のウェットフードには目がないんですぅ。潤さんに抱っこされたまま、体だけ思いっきり伸ばして必死。
潤さんが幼い頃から実家で犬を3匹も飼っていたこともあって、犬がいない生活は考えられないと思っていたそう。特に柴犬が一番のお気に入りだったとか。そんなわけで、一昨年、5月に福島市内に転居した物江さんご夫婦は、引っ越し後、早々にペットショップ巡りを始めたのである。
「なかなか決められずに、おじゃる丸と出会うのに半年かかりました」と、奥様の麻衣子さんは笑う。
ある日、郡山市のブリーダーの元を訪ねた物江さんご夫婦。7匹いた子犬の中で愛嬌を振りまきながら、勢いよく寄って来て離れようとしない1匹の子犬がいたそう。まるまる太り、顔には立派なM字眉毛が……。それがおじゃる丸だった。そうして、生後2ヶ月のおじゃる丸を迎え、念願だった犬との新しい暮らしがスタートしたのである。
ありゃりゃ! 遊んでいたらリードが顔の上に。「助けて」と甘えてみたものの……いやいや、自分で取れると思うよ~。
ほどなくして、おじゃる丸に試練の時がやって来た。
「実は、おじゃる丸が我が家に来てから3週間後に私たちの結婚式が以前から予定されていたんです。挙式当日、どうしてもいつもより長い時間、留守番をしてもらうことになってしまいました。それから、2人で出かけるのをすごく嫌がりますね」と、麻衣子さんは申し訳なさそうにおじゃる丸を見た。
以来、留守番は長くても4〜5時間に留めているのだとか。自宅に戻ると、全身で喜んだり、怒ったりする、寂しがり屋で甘えん坊のおじゃる丸が迎えてくれるのだ。
小春日和に誘われて、阿武隈川の淵を家族みんなでお散歩。超ご機嫌なおじゃる丸。だって、雨降ってないもん!
同じ空間にいても放っておかれるのが我慢ならないおじゃる丸は、吠えることなく、甘えた声で気を引こうと必死らしい。いつの間にか家族の中心的存在になってしまったことは言うまでもない。かまってちゃんのおじゃる丸は、当然、物江さんご夫婦と行動を共にするのが大好き。おじゃる丸にとって散歩は至福の時。どんなことにも興味津々。他の犬と遊びたいのだが、無視されたり、吠えられたりして、なかなか友達になれないのだとか。もう少し大きくなったら、きっと、気の合う友達ができるよ。だって、君は超フレンドリーなのだから。
いつもの場所で、高く足を上げて。ハイ、気分スッキリ!
「1回の散歩でウンチを3~4回する時期があってびっくりでした。今は1~2回に落ち着きました(笑)」と、潤さん。
物江さんご夫婦は、いつか、おじゃる丸と一緒に旅行したいと思っている。が、おじゃる丸は車が苦手で車酔いが激しいそう。
「少しずつ車に慣らして、車酔いの克服を目指します!」と、潤さん。
そうやって、おじゃる丸との楽しい日々をこの先、ずっと重ねていきたいと願っている物江さんご夫婦なのだ。
How to keep【おじゃる丸の場合】
おいしいものは取っておきたい!?
1日2回、朝と夕方にドッグフードのみを与えているが、時々、大好物のウェットフードをトッピング。すると食べてしまうのがもったいないのか、ひたすら我慢しちゃう!?
雨の日に散歩!? ありえな~い!
1日2回、それぞれ1時間ずつ散歩をする。決して吠えたりせずに、どんなことにも好奇心旺盛で積極的に行動するが、雨の日は気分がブルーになり散歩を頑なに拒絶するらしい。
きれい、さっぱり、気持ちいい!
シャンプーは2週間に1回、潤さん、麻衣子さんのどちらかが担当する。雨で濡れた日や泥だらけになった時にはその都度、実行する。おとなしく、されるがままだから楽ちん!
好きなもの、嫌いなもの
オモチャで遊ぶのが大好き。自分で投げたボールを空中でキャッチするのが得意なのだ。反対に嫌いなものは車。車酔いが激しく吐くこと度々。いつか克服できるといいね!
おじゃる丸が考える物江家の序列
いつもそばにいて、世話をしてくれる麻衣子さんには頭が上がらない!? 一方、潤さんにはちょっと強気な時もあるそう。友達だと思っているらしい。2人とも心強い味方です!
Text:Masako Komuro
Photos:Mariko Nakagawa