花の都パリで花屋として研鑽(けんさん)を積んだ和泉淑子(いずみとしこ)さんが、「フローリスト シャール・フラマン」をオープンしたのは2005年。
「パリでデザイン性が高い花屋は、ウィンドーにすてきなディスプレーをしています。これを私も自分の店に取り入れました」というこだわりのウィンドーは、月ごとにテーマが変わる。
花の似合う男!
オープンから10年後。猫との生活を描いた実話ベースの漫画『ペン太のこと』に心を動かされた淑子さんは、猫と暮らすことを決めた。そして保護団体を通して出会った子猫がポチ(♂)だ。
譲渡が正式に決まったときは、「この子とこれから、いっしょに起きて寝て、ご飯を食べて、仕事場でもいっしょ。そう想像しただけで、うれしくて泣きそうになりました」と話す。
ポチをはじめて店に連れていくまでの準備は、愛猫といっしょに出勤する知人の花屋さんからアドバイスを受けた。
生後1ヶ月半でお家に来た初日
一軒家のアトリエである店は、最初はすこし入りづらさがあるが、ウィンドーで道行く人を眺めたり、ぐうぐうと眠るポチが気になって来店されるお客さまは多い。
また店のドアには鍵をかけているため、お客さまはノックしてから入る。このノックの音に真っ先に気づくのがポチ。ドアまで走り、ニャアニャアと鳴く。
「すべてのお客さまをスリスリで迎えます。すこし犬みたいかもしれません」。
ポチに家族そろって会いにいらっしゃる、お客さまご一家
コロナ禍ではギフトの受注が例年の2倍となった。
「大切な人へ気持ちを伝えることができる花の大切さを、今まででもっとも強く感じています。ご近所の方々がポチに会いに立ち寄ってくださる地域交流も、とても温かで。私にとっては初めての猫との暮らしが、こんなにも愛おしくて、楽しくて、おもしろいとは。幸せをかみしめる日々です」。
花と猫。人の心を癒やす最強のタッグかもしれない。
ウィンドーで過ごす姿が、知らない方のインスタグラムにアップされていることも
Fleuriste Charles Froment(フローリスト シャール フラマン)
東京都目黒区自由が丘2-19-5
TEL 03-6459-5608
営業時間/11:00~19:00
定休日/火曜
https://c-froment.com
取材・堀 晶代 写真提供:和泉淑子