【獣医師監修】猫は留守番に強い? 留守番の対策を紹介します
猫の留守番に電気や暖房は必要? ケージでの留守番はあり? 猫はエサやおもちゃを用意すれば寂しがらずに留守番できる動物です。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
猫は犬よりも孤独に強い
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旅行などで家を離れるとき、犬を同伴することはめずらしくありませんが、猫は環境の変化を嫌うため、ほとんどの場合、連れて行くことはありません。群れで生活する犬と違い、単独行動の猫は独立心が強く、孤独であることにそれほど寂しさを感じないようです。
そのため、長時間の留守番がストレスになる犬に対し、猫はトイレや食事、水の問題がクリアできていれば2日程度であれば問題なく留守番することができると考えられます。
しかし、水をひっくり返してしまい飲めなくなる、汚れたトイレを嫌い排泄を我慢する、などが起こることもありますので、できれば知人やシッターさんなどに5分くらいでも様子をみに来てもらえると安心です。
中には一週間ほど留守番をさせた経験を持つ飼い主もいるようですが、万が一のことを考えるとあまりお勧めはできません。1泊以上の留守番では、猫だけにする以外の方法を考えましょう。
安心して家を空けるための準備
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家を留守にするときは、その分、食事とトイレを多めに用意しなければなりません。夏や冬など、冷暖房が必要なときは、猫にとって快適な室温に設定することもお忘れなく。留守番させるために必要な「もの」と「こと」を紹介します。
ペットフィーダー
給餌器のことです。タイマー設定により、決まった時間に自動的に決まった量のエサが出てくるため、エサの心配をする必要がありません。飼い主の声が録音できるものもあります。
給水器
ノズルをなめると水が出てくるものや、自動で水が出てくるものがあります。器だとひっくり返す恐れがあるため、給水器があると安心です。基本的に猫の舌の構造はノズルを舐めて水を飲むのには適していません。ノズル型の給水器を使用する場合は、それ以外にお皿タイプのものも置くようにしましょう。
複数のトイレ
猫は汚れたトイレで排泄しないため、予備のトイレが必要です。いつものトイレのほか、1~2ヵ所に予備のトイレを設置しましょう。
猫のおもちゃ
遊んでくれる相手がいなければ猫は退屈してしまいます。お気に入りのおもちゃをいくつか用意しておくといいでしょう。誤飲の恐れのあるものや壊れやすいものは避けること。
冷暖房
夏は、室温が25℃前後になるように冷房かドライ(除湿)の設定をしておきましょう。設定温度との差はエアコンの機種によって異なりますのでご自身で確認してみてください。また、南向きや西向きの窓はカーテンを閉めておくなど、熱中症にならないための対策が必要です。エアコンのリモコンを踏んでしまって設定が変わったり切れてしまったりすることがないよう、保管場所には注意してください。
冬は地域にもよりますが、やはり、室温が25℃前後になるように設定温度を決め、タイマー機能がついていれば、夕方にスイッチが入るようにしておきましょう。日中は毛布など、暖を取れるものを用意しておけば大丈夫です。電気カーペットなど、エアコン以外の電化製品は、万が一のことを考えてオフにしておくこと。
留守番時に注意すること
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「留守番のときは、ケージに入れておけばいいのでは?」と考える人も多いでしょう。ただ普段、自由に家の中を動きまわっている猫にとって、ケージの中に閉じ込められるのは耐え難いことです。だれもいない家に猫を置いて出かけるのは心配ですが、いくつか注意すれば不安も軽減されると思います。
ベランダ、窓はしっかり閉める
夏だからといって、網戸のまま出かけないようにしましょう。マンションの上階であれば落下の危険性があり、そうでない場合でも交通事故などの恐れがあります。玄関だけでなく、戸締まりはしっかり確認することが大切です。
コンセントを抜く・音量制限する
エアコンと冷蔵庫以外は、感電や火災の可能性を考えて、コンセントは抜いておくこと。猫がインターホンや電話の音に驚くこともあるので、音量を下げるか無音に設定しておくといいでしょう。
落下事故を防止する
高いところにあるガラス製品や陶器、重たいものなど、落下した際に猫に当たってケガをしてしまいそうなものは、すべて下ろしておくこと。壊されたら困るものも同様です。
誤飲・誤食を防止する
アクセサリーやボタン、電池など小さなものはしまっておきましょう。食べ物についても、チョコレートや人間用の薬、サプリメントなどは誤飲すると命を落とす場合もあります。
テレビや電気は消しておく
猫が寂しがらないようにと、テレビや電気をつけたまま外出する人がいますが、一日の大半を寝て過ごす猫にとっては無用です。少しの明かりさえあれば、暗い中でも目が利くため、電気も必要ありません。一方、小さな音でラジオを流していくと喜ぶという話を聞くことはありますので、猫の様子を見ながら試してみてもいいかもしれませんね。
長期間留守にする場合
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より長期間家を空けるときは留守番以外の方法を考えましょう。考えられる方法は以下の3つです。
友人・知人に様子を見てもらう
毎日でなくとも、猫や家の中の様子をチェックしてもらい、報告してもらうだけでも助かります。エサの補充、水の取り換え、トイレ掃除などをやってもらえればそれに越したことはありません。
ペットシッターに依頼する
食事の世話、トイレ清掃、遊び相手など、総合的にペットの世話をしてくれるペットシッターに依頼するのもいいでしょう。老猫や病気を抱えている猫は、移動させずに済むので便利です。
ペットホテルに預ける
猫専門のところ、動物病院に併設されているところ、空港内に併設されているところ、ペットの様子を動画で確認できるところなど、最近はいろいろなペットホテルがあります。ワクチンを接種していない猫は受け付けてくれない場合もあるので、事前に確認が必要です。ただし、初めての場所、知らない人に預けられることは猫にとって大きなストレスになることだけは忘れないでおいてください。
孤独に強いとはいえ、いつもと違う数日間は猫にとってもなんらかのストレスがかかっていると考えられます。帰宅後はよく様子を観察し、いつもと違うところはないか注意してあげましょう。