犬の不明熱と多発性関節炎:症状や検査・治療法について解説 | 動物医療センターPeco

この記事では獣医師監修のもと、犬の不明熱の考え方やその原因として多い「多発性関節炎」ついて、その症状や検査・治療法を解説しています。動物病院に連れて行く前に参考にしてください。


記事の監修者
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大野耕一
動物医療センターPeco 院長 獣医師

犬の不明熱とは?

犬の平熱は直腸温でおおよそ38.0-39.2度程度で、39.5度を超えるとあきからな発熱があると認識されます。多くの病気、とくに炎症を伴う病気では発熱が見られることが多いのですが、そのほとんどは原因が特定できるか、推察可能です。

しかし何度か検査をしても発熱の原因が特定できない場合に「不明熱」という言葉を用いることがあります。

犬の不明熱の原因として多いのは?

非感染性の炎症性疾患が多い

不明熱になりやすい疾患としては、犬では非感染性(細菌やウイルスなどの原因ではないもの)の炎症性疾患、とくに免疫が関連する病気(免疫介在性疾患)が筆頭に挙げられます。以前多かった感染性、腫瘍性疾患の頻度は近年減ってきています(不明にならなくなってきています)。

犬の不明熱になりやすい非感染性炎症性(免疫介在性)疾患の例としては以下の表のようなものが挙げられます。中でも多発性関節炎は犬の不明熱の原因疾患としては非常に多いことが知られています。

多発性関節炎ステロイド反応性髄膜-動脈炎脂肪織炎
血管炎膵炎/膵膿瘍汎骨炎
全身性エリテマトーデス(SLE)多発性筋炎若年性蜂窩織炎

(特発性)多発性関節炎とは?

複数の関節で炎症が起きて、発熱、元気・食欲低下などの全身的な症状がみられる病気です。外傷や感染、高齢など明らかな原因のない関節炎で特発性(原因不明という意味)という言葉を用いることもあります。

犬の多発性関節炎の原因

はっきりとした原因はよくわかっていません。体の中の免疫系という本来感染症などから身を守るための仕組みが、病気の発生に関わっていると考えられています。

 発症しやすい品種や年齢は?

どんな犬種でも、そして雌雄を問わず発生が認められます。発病する年齢も幅がありますが、一般的には中年齢での発生が多いと言われています。


犬の多発性関節炎の症状は?

関節の痛みや、階段や段差を嫌う、歩きたがらない、などの症状がでることもありますが、むしろ発熱、元気、食欲低下といったはっきりしない症状しかみられないことも非常に多いのが特徴です。

熱が高い時には、ぐったりしてあまり動きません。手首や足首などの関節が腫れたり、熱をもっているように感じることもあります。

気になる症状がある場合はご相談ください

多発性関節炎は、なかなか飼い主様は(獣医さんも)関節炎とは気づきにくいので以下に症状のポイントをまとめます。複数の症状が当てはまる場合には動物病院で検査を受けることをおすすめします。

多発性関節炎の症状のポイント
・熱がでてぐったりする
・散歩や段差を嫌がる
・歩き方がおかしい
・触るとどこか痛がる
・手首や足首が腫れて熱をもっている
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犬の多発性関節炎の検査・診断法は?(動物医療センターPecoの場合)

当院で実際に行う可能性のある検査についてご説明します。

※多発性関節炎の診断は通常60分程度です。しかし原因や病状によってさらに時間がかかることや、診断のために何度か通院してもらう場合もあります。時間に余裕をもってご来院ください。

問診・身体検査

すべての動物に対して行われます。発熱の程度や関節痛の有無や関節の動き、歩き方の異常、他の病気の併発が疑われないか調べます。

血液検査

初診時には多くの動物で実施しますが、主に他の病気がないかどうか、そして何より炎症の程度を評価するために実施します。

関節液の検査

最も重要な検査です。複数の関節から細い注射針で関節液を採取(関節穿刺)します。これをやらないと診断がまったくできません。通常無麻酔でも安全で簡単に実施できます。

X線検査

稀な病気ではありますが、似ている病気に「関節リウマチ」があり、その場合には関節の破壊がX線検査でみられたりするので、鑑別のためにX線検査を実施することがあります。

その他の検査

あまり行いませんが関節液の細菌の検査や、関節リウマチなどの免疫疾患の検査を外注検査に依頼することがあります。


特発性多発性関節炎の治療法

ほとんどの犬では炎症や免疫を抑えるための副腎皮質ステロイド薬が第一選択薬となります。ステロイド薬は使い方を間違えなければ決して怖いお薬ではありませんが、獣医師の指示にきちんとしたがって飲ませることが重要です。

ステロイド薬を使うことで、ほとんどの犬では数日以内に劇的に症状が改善します。しかし良くなったからといってすぐにステロイド薬を中止すると、症状がすぐに再発することが多く,ゆっくりと数カ月以上かけて投与量を減らしていくのが重要です。

副腎皮質ステロイド薬の効きが悪い場合には、免疫を抑えるその他の薬(免疫抑制薬)を用いることもあります。

当院の獣医師からのメッセージ
  1. 発熱や元気・食欲低下を繰り返して、原因がはっきりしない犬では、多発性関節炎も疑う必要があります。
  2. 熱や痛みがあっても、安易に下熱・鎮痛剤を使わずに、獣医さんで関節の検査(関節穿刺)も積極的に行う必要があります。
  3. 治療によって症状が良くなっても、すぐにお薬を飲むのを止めないでください。すぐに薬が要らなくなるような関節炎ではありません。

初診時の一般的な検査費用

当院では、病気の診断や状態把握のために、必要と思われる検査を選択致します。以下に一般的な多発性関節炎の初診時の検査料金をご紹介します。症状などによっては追加検査が必要になることもあります。

検査内容料金の目安
問診・身体検査料5,170円
血液検査13,760円〜
関節液採取3,300円〜
X線検査5,400円〜
合計27,630円〜
※治療費は別になります。

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