手術症例:外傷性の股関節脱臼に対し大腿骨頭骨頸部切除術【FHNE/FHO】を実施した小型犬の一例(整形外科、股関節形成不全、手術)

右の股関節を脱臼してしまった小型犬の一例をご紹介いたします。

症例は体重1.8kgの10歳のトイプードルの女の子でした。
飼主様のお話しによると、お家でジャンプをした際に急に痛がってしまい、その後から右の後ろ足を完全に挙上した状態になってしまったとのことです。
かかりつけの病院様で股関節脱臼の診断を受け、外科療法も視野に当院に来院されました。

当院初診時も右後肢を完全に挙上しており、ほとんど歩こうとせずに座り込んでしまう状態でした。
また、受傷翌日の来院でしたが、痛みや精神的なショックの影響もあるのか元気や食欲も落ちているとのお話でした。

【写真①-1.2:来院時の様子。右の後ろ足を完全に挙上している。】

整形外科学的検査とX線検査を実施した結果、
⚫︎右股関節の頭背側への脱臼
⚫︎左右の膝蓋骨内方脱臼(パテラ)
が認められました。
今回の急性症状の原因は股関節の脱臼と考えられたため、股関節脱臼に対する治療アプローチのお話をさせていただきました。

【写真②-1.2:初診時のX線検査。右の股関節が脱臼しているのが分かる。】

今回のわんちゃんは大きなイベントが無く脱臼してしまったので、背景に元々の股関節の緩み(股関節形成不全)がある可能性が考えられました。

その点を考慮し、外科療法である大腿骨頭骨頸部切除術を実施することとなりました。

当院で外科療法を推奨させていただく場合はインフォームドコンセントを徹底し、手術の方法(手技)や術後の予想される経過、術後に必要なケアなどをしっかり説明の上、安心して任せていただけるよう心がけております。

【写真③:術後X線検査。右の大腿骨頭骨頸部が切除されているのが分かる。】

整形外科診療科の手術後の入院は1〜3日と必要最低限にと考えております。

この子は2泊3日で退院となりました。

退院時は少しずつではありますが、術後の左後ろ足を使ったり地面に着く様子も見られました。

【写真④-1.2:退院前の様子。右後ろ足を着けるようになった様子が分かる。】

文貴:獣医師 多喜

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