【獣医師監修】犬にトマトを与えても大丈夫? トマトのメリットや注意点
栄養価が高く、健康に良いといわれる野菜の代表格であるトマト。ビタミンも豊富で、人間にとっては有効な野菜ですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬とトマトについて解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬は「完熟トマト」を食べても大丈夫
トマトは、若い頃は緑色で、完熟すると赤くなります。熟したトマトに含まれる栄養素で犬が気をつけなくてはいけないものはないため、熟したトマトであれば、犬に与えてもとくに問題はありません。
トマトの効能
トマトが持っているといわれている効果について紹介します。ただし、人間と犬は違う動物なので、犬に与えた場合でも、人間と同じ効果が期待できるとは限りません。
トマトの効能としては、ビタミンやカリウムの摂取により、カラダの調子を整えられるということが挙げられるほか、リコピンによる抗酸化作用も期待できます。この抗酸化作用とは、体内の様々な機能の老化を予防する働きを指します。たとえば、「血管がボロボロになる」「代謝が落ちる」などの現象は、加齢によって必ず生じてしまいます。その老化現象は、歳をとるごとにどんどん蓄積されていきますが、その老化に抵抗するのがリコピンです。リコピンを摂取することで、老化が緩やかになり、急激な体調の変化も起こりづらくなります。
また、トマトには水分がたっぷり含まれている(90%が水分!)ので、水分の補給にもなります。
犬にトマトを与える時の注意点
しかし、このトマト、犬に与える際にはちょっとした注意が必要です。赤くなった完熟トマトは犬に与えても大丈夫な食べ物ですが、問題は緑の未熟なトマトです。
この未熟なトマトには、トマチンという物質が多く含まれています。この物質が、犬に悪さをする可能性があります。トマチンはアルカロイドという有機化合物の一種で、ジャガイモの芽に含まれるソラニンにも同様の成分が含まれています。このトマチンには毒性があるため、犬に未熟なトマトを与えるのは避けた方がいいでしょう。
また、トマチンは未熟なトマトのほかにも、トマトの花、葉、茎にも含まれます。植物は、このような毒素を持つことで、虫から身を守っているのです。
このように、犬に与えてよいのは完熟トマトだけで、未熟トマトは絶対に与えてはいけません。ただし、完熟トマトを与える際も、食べすぎてしまうと水分の摂りすぎで便がやわらかくなることがあるので、適量を守りましょう。
もちろん、すべての犬がトマトを好むとは限らないので、食べるのを嫌がる場合は、無理に与える必要はありません。また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時などに参考にしてください。
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