【獣医師監修】猫を飼うための基本を解説。迎え方から必要なもの、しつけまで
猫を飼いたいと思ったら、どのような準備や心構えが必要なのでしょうか。後悔しないためにも、しっかりとした知識を持っておくことが大切です。
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長
猫を迎える時に必要なこと
ペットショップで可愛い仔猫を目にしたら、もしくは道端で捨てられている仔猫に見つめられたら、「連れて帰ってあげたい」と思ってしまうのが愛猫家の性です。でも、ちょっと待ってください。その場の衝動で猫を連れて帰って、お互いが幸せになれるでしょうか。ここは少し冷静になって、本当に猫を迎え入れる準備ができているか、考えてみましょう。
猫を迎えるにあたっての心構え
当然のことですが、猫は動物です。家に迎え入れたら、その子が最期の時を迎えるまで、添い遂げる心構えはあるでしょうか。そして、そのほかに猫を飼うことができない理由はありませんか。
●ペットを飼育できる物件に住んでいない
●自分や家族が猫アレルギーを持っている
●近所から苦情が出た
●仕事などの関係で住居を引っ越しする可能性がある
●猫を飼うための経済的な余裕がない
●老猫を介護する覚悟がない
●家族が猫を飼うことに賛成していていない
これらのどれかに当てはまっている、もしくは今後当てはまってしまったら、家に迎え入れた猫を手放さなくてはならなくなるかもしれません。それは猫にとっても、飼い主にとっても、とても不幸なことです。衝動的に猫を迎え入れることは、絶対に避けなければいけません。
猫との出会い方
猫との出会い方には、様々な方法があります。
●ペットショップで購入する
●ブリーダーから購入する
●愛護団体から引き取る
●里親になる
どの方法が自分に合っているのか、よく考えてから猫を探すようにしましょう。
どんな猫を迎え入れるか考えよう
家に迎え入れる猫を選ぶ時、自分の好きな猫種で選ぶのもいいかもしれませんが、猫によって性格や特徴に様々な傾向があります。それぞれについて、しっかりと調べてから、どんな猫を迎え入れるか決めましょう。
たとえば、長毛種の猫を飼育する場合、定期的なグルーミングが欠かせません。飼い主として、そのための時間を確保することが重要な条件となります。そのほかにも、猫種によっては、先天的に病気になりやすい品種がいるのも事実です。ペットショップやブリーダーなどに、猫の親や兄弟の病歴、健康状態などを確認することも大切です。
仔猫を迎え入れる準備
仔猫を家に迎え入れる場合、いろいろと準備しなければならないことがあります。仔猫は好奇心旺盛なので、危険なものは極力排除し、安全に過ごせるような環境を作ってあげましょう。そのほかにも、準備すべきものはたくさんあります。
●ベッド
●トイレ
●おもちゃ
●フード
●食器(食事用、水用)
●爪とぎ板(生後3~4ヶ月から)
●爪切り
●ブラシ
●キャリーバッグ
これらは、仔猫のためにも是非揃えておきたいものです。とくに、フードとトイレは必須です。
猫を飼い始める時に必要なこと
それぞれの準備と心構えができたら、猫を迎え入れる準備は万全です。しかし、ここまでは、あくまでも出発地点。ここから、猫との長い生活が始まっていきます。
新しい環境に慣れさせよう
猫は、環境の変化にとても敏感な動物です。ですから、まずは新しい環境に慣れてもらうことから始めていきましょう。先述したように、危険なものを排除した上で家の中を探検させること、猫のペースに合わせて、寝ている時に邪魔をしないことなどに気をつければ、猫は次第にその環境に慣れていきます。とくに猫をお迎えしてすぐは、“かまいすぎない”ことが重要です。高所からの落下や誤飲・誤食など、万が一の事故に気をつけながら、そっと見守ってあげましょう。
トイレを覚えさせよう
猫と一緒に生活をしていく上で、トイレのしつけはとても重要です。人の出入りが少ない部屋の隅など、猫が落ち着いて排泄できる場所にトイレを設置してください。そして、猫がトイレを探す仕草をみせたら、トイレに連れていき排泄をさせましょう。何度か繰り返すうちに、猫がトイレの場所を覚えてくれます。ほかにも、猫が自分で決めた排泄場所にトイレを置き、少しずつ希望の位置まで移動して習慣づけるといった方法も効果的です。
食事について
猫の食事については、次のようなものを用意しておきましょう。
●年齢に合った総合栄養食
●水
●猫草
猫は、年齢によって食べるものが変わります。母乳か仔猫用ミルクの時期を過ぎれば、離乳食を用意しなければなりません。キャットフードが食べられるようになったら、年齢と栄養を考えた「総合栄養食」を用意しましょう。また、離乳食の時期を過ぎると、水分補給のために水を飲むようになります。
健康管理とワクチン
猫の健康状態を把握するためにも、定期的な健康診断を受けさせましょう。また、年齢に合わせたワクチン接種も必要です。生後8~9週齢の頃に1回目、その3~4週間後に2回目のワクチンを受けた後は毎年1回の接種が一般的ですが、日本では動物病院によりワクチンの接種時期についての方針が異なります。かかりつけの獣医師と話し合って、接種時期を決めましょう。
触れ合うことで健康状態を確認する
猫と触れ合うことは、健康状態を確認する意味でも重要です。仔猫の時から、触られることに慣らしておきましょう。その他、目や耳の状態なども併せてチェックするようにします。毎日触れ合っていると、猫のちょっとした異変にも早く気づくことができるようになりますよ。
猫を家族として迎え入れること。それは、飼い主であるあなたが、最後まで責任を持って世話をするということです。猫も飼い主も幸せに暮らしていけるように、しっかりと考えて判断するようにしましょう。
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