【獣医師監修】犬が甘える理由と、その心理について
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【獣医師監修】犬が甘える理由と、その心理について

飼い主を見ると、寄って来てはカラダをぺたりとくっつける犬。それは、犬が飼い主とくっついていると安心できるからですが、それぞれの行動に込めている気持ちに微妙な違いがあることを知っていますか?

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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬が甘える時の行動の種類と理由

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犬の行動の種類別にどのような理由があるのか、どのような心理が働いているのかを紹介しましょう。

あごを乗せる

犬を飼っている人であれば、必ずといっていいほど経験するのが、座っている足に犬があごを乗せる動作。眠たそうな様子でこの動作を行っているのであれば、心からリラックスしていてくっついて眠りたいのでしょう。じっと目を見つめながらこの動作を行っている場合は、なでて欲しい、構って欲しいという気持ちの表れかもしれません。あごを乗せた時に飼い主さんがいつも触ってくれるということを学習しているのでしょう。

前足を乗せる

飼い主の腕や足に前足を乗せる動作、これも甘えているようにみえる動作ではありますが、前足で飼い主のカラダをひっかくような仕草を繰り返す場合は、どちらかというと、「遊ぼう!」「構って!」「抱っこして!」というように元気に要求しているニュアンスが強いです。

甘えている時の鳴き声

犬は人間のように言葉を話せないので、動作や鳴き声で、心理状態などを伝えようとします。とくに幼齢の犬は母犬を頼ったり甘えたりする時に鳴きますが、成長して動作で伝える術を身につけた社会化の済んだ犬は、鳴き声で伝えるのは遠くにいる仲間に状況を知らせたい時や、近くにいる誰かに警告を出す時、興奮した時くらいになります。
そのため、甘えたい時、構って欲しい時に鳴く犬は、人との生活の中で、その方が飼い主に伝わると学習した犬でしょう。

お腹を見せる

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犬にとって弱点ともいえるのが、お腹。腹部は背中のように固い骨に覆われているわけではなく、守らなくてはいけない場所なので、野生動物でお腹を上にして寝ている姿というのは通常見られません。
犬がお腹を見せている時は安心している証拠です。争いを避けるために腹部を見せることもありますが、飼い主の横で自分からお腹を見せている時は、服従心というよりも甘えや安心からと考えた方が自然です。

飼い主の口を舐める

この動作は甘えというよりは信頼を表しながらの挨拶です。犬にとっての挨拶ですので、こちらも受け入れてあげたい気持ちにはなりますが、衛生面から考えてあまりおすすめはできません。また、飼い主が口を舐めることを受け入れていると、他の人にも同じ挨拶をしようとします。その際、口を舐められたくない人には不快感を与えてしまいますし、犬も「なぜこの人は受け入れてくれないのだろう」と混乱するかもしれません。そのため、「人とは口を舐める挨拶はしない」と教えてあげた方が、犬にとってもいいでしょう。

犬の行動を見極めて楽しいドッグライフを

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このように、日常の中で、犬は動作を通して飼い主に気持ちを伝えようとしています。犬が甘えるということは飼い主を信頼していることですから、飼い主にとって嬉しいことではありますが、甘えと要求の違いを見極めることも重要です。バランス感覚を大切にし、優しく接しながら、楽しいドッグライフを送りましょうね。

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