【獣医師監修】犬が吠える! 吠える理由とその対策について

どうしたら吠えてほしくないときに吠えなくなる? 犬をじっくり観察しながら吠える理由を見つけて、対策などをきちんと学んでおきましょう。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

散歩の途中、愛犬がほかの人や犬に吠えて困ったことはありませんか? 犬が吠えるのは仕方がないとわかってはいるものの、家に来客があったときなどに過剰に吠えられると困惑してしまいますよね。必要以上に吠えている愛犬を見ると、どうしていいかわからなくなる飼い主も多いのではないでしょうか。

しかしながら、犬はそもそも、吠える動物です。もちろん意味もなくただ吠えているわけではなく、吠える目的があって吠えているのです。愛犬の気持ちがわかれば、それに応じた対処ができるはずです。吠える理由を解明して、困った行動をやめさせる対策を考えてみましょう。

吠える種類と理由

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犬が吠えるのは、人が犬と生活していくうえで、侵入者を知らせる番犬や、獲物を見つける狩猟犬として、吠えるという行為を定着させたからだと考えられています。犬が吠えるには様々な理由があり、その理由にあった対処をしていくことで、過剰に吠える行動は抑えられます。

犬が吠える理由には、以下のような種類があります。

おねだりからくる要求吠え

遊びたい、おやつを食べたい、散歩に行きたいなどのときにおねだりするパターンの行動です。吠えると何かいいことがある、と犬が学んでしまったようです。人が犬を吠えるようにしつけてしまったと考えた方がいいでしょう。「私は要求に応えないようにしているのに・・・」という場合は、こっそり要求に応えている家族がいるのかもしれません。

知らないから怖がる威嚇吠え

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家族以外の人や散歩先で出会った他の犬などに対し、恐怖や不安を感じた場合に「あっちへ行け!」という意思表示で吠えます。子犬の頃からいろんな人や犬と触れ合っていない犬に多く、社会化が出来ていない表れです。

寂しがりからくる不安吠え

飼い主が外出するときなどに犬が吠えるのは、飼い主がいなくなることへの不安による行動です。寂しがりでひとりになるのが怖いのかもしれません。これも一種の要求吠えです。寂しそうに鳴いたときに飼い主がそばに来てくれたなどの経験がそうさせることが多いです。不安になって吠えると同時に、自分も行きたいという欲求などもあるようです。子犬に多い夜吠えも自分だけが暗い部屋に取り残された状態となって、寂しさと不安によるものです。

愛犬の行動をしっかり観察することで吠える理由を考え、犬の状況を把握して対処することが必要です。

吠えさせないための対策

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犬が吠える理由がわかったら、それに応じた対策、対処法を試してみることです。それに併せて、普段からのしつけを心がけましょう。

おねだりからくる要求吠え・寂しがりからくる不安吠えの対策

要求は、それに応えると成功体験となります。そんな要求吠えには無視が効果的です。おねだりして吠えていたら知らんぷりします。そうすることで犬にとってはメリットがなくなるので、要求吠えは次第におさまってきます。また、忘れがちなのが吠えなかったときのご褒美です。たとえば、ケージから「出して!」と吠えているときは無視をしますが、静かにしていたら必ず出してあげてください。「吠えてもいいことがない」と学習させると同時に「吠えないといいことがある」ということも学習させることが、犬にルールを覚えてもらう上で最も重要だからです。

知らないから怖がる威嚇吠えの対策

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これは、子犬の頃の社会化不足が原因のため、改善には少し時間がかかります。人や犬、車など目に入るもの全てを恐れる必要がないと犬にわかってもらう必要があります。まずは、見知らぬ人、犬、車などを見かけたら吠える前にご褒美をあげるようにします。オスワリなどの指示に従えるようであれば、号令をかけてご褒美をあげてもいいでしょう。また、見知らぬ人におやつを投げてもらったり、慣れてくれば手から与えてもらったりすることも効果的です。

犬が吠えるのには様々な理由があり、理由によって対処法は異なります。正しい方法でルールを教えてあげましょう。

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