【獣医師監修】犬のマウンティングをやめさせたい。マウンティングをする理由とその対策について
マウンティングは、他の動物などに馬乗りになり腰を振る行為です。オス犬の行動というイメージがあるかもしれませんが、じつはメス犬もマウンティングを行うことがあります。では、犬のマウンティングにはどのような意味があるのでしょうか?
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬がマウンティングをする理由
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マウンティングというと「交尾」のような印象を受けてしまうかもしれませんが、オス犬だけではなくメス犬もすることから、決してそのような理由ばかりではありません。
一番多いのは、興奮しすぎたときや遊びの延長です。
「自分の方が上位にいる」ということを示すために行うという説もありますが、どちらかというと、興奮して始めたマウンティングに対して、されている方があまり嫌がらなければ調子にのってマウンティングを続けますし、怒られればシュンとしてマウンティングをやめますので、そこに力の関係性が見える、という程度だと思われます。
通常は、犬同士にも互いのマナーがあるため、いきなりマウンティングをすることはなく、多くは社会化が不十分な子犬にみられます。
ときに、人形やぬいぐるみに対してマウンティングを仕掛ける犬がいます。これも同様に興奮しておこなっていると考えられます。オス犬の場合はマウンティングをしているうちに性的に興奮してペニスを傷つけてしまうこともあるので、やめさせた方がいいでしょう。
また、飼い主に対してしつこくマウンティングをすることも、自分の興奮をうまくコントロールできていない表れですので直していったほうがいいでしょう。
もちろん発情期においては「交尾」の意味もあります。またメス犬においては、単純に楽しい・嬉しいという意味での興奮状態に入ったときにすることもあります。
犬のマウンティングをやめさせるには
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このように、マウンティングというのは興奮時に行うことが多いのですが、どうしても性的な行為にみえてしまうため、できればやめさせたいところです。
まずは飼い主へのマウンティング。最初は喜びや遊びたいという気持ちの現れだとしても、放っておくと興奮がエスカレートして気持ちのコントロールができない落ち着きのない犬になってしまうおそれもあります。足や腕にしがみついてマウンティングをしようとしたら、さっと振り払いその場を離れましょう。興奮がひどいときは一度ケージやハウスに戻してクールダウンさせてもいいでしょう。
また人形・ぬいぐるみへのマウンティングも、ペニスを傷つけるおそれなどがあるのでやめさせたほうがいいでしょう。抱えるのにちょうどよい大きさのぬいぐるみなどは周りに置かないようにするのが賢明でしょう。
犬の中で「マウンティング=してはいけないこと」ということが理解できれば、マウンティングの癖は抜けていきます。
興奮をそのまま行動で表すのではなく、うまくコントロールできるようにしていってあげたいですね。