【獣医師監修】犬の散歩の適切な頻度や時間、距離、知っておくべきマナーとは?
子犬を飼い始めたら、そろそろ散歩の準備が必要なのでは? 愛犬に欠かせない散歩の適切な時間や距離、頻度やマナーもお教えします。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
愛犬と一緒にいろいろなところに出かけられる散歩は、犬を飼う醍醐味のひとつです。飼い主が心待ちにしている散歩デビューは、いつからできるのでしょう? 子犬が散歩に出かけられるようになるのは、2~3回目の混合ワクチン接種から2週間ほど経ってからと指示されることが多いかと思いますが、抱っこをして外の音や匂いに慣らすのはワクチン接種がすべて終わる前でも大丈夫です。
待望のお散歩へ行くと、うまく歩けなかったり、嫌がったりする子もいるそうです。大切な犬との散歩の時間を楽しむためにも、いろいろ学んでおきたいものです。
まずは散歩に慣らすことから始めて、どのような散歩が愛犬のためになるのか考えていきましょう。
散歩の慣らし方
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いざ外へ出てお散歩!という前に、子犬は準備ができているでしょうか? 下記のように慣らすことをしていれば、愛犬はすぐに散歩に慣れることができます。
首輪とリードに慣らす
犬が初めての散歩で違和感を覚えるのが首輪とリードです。外に出る前に、家の中で首輪とリードに慣らしておきます。おもちゃで遊ぶなど楽しいときに首輪をつけて、抵抗感をなくしてあげるようにします。首輪に慣れてきたらリードをつけて遊ばせます。飼い主がリードを持って家の中を一緒に歩く練習もしておきましょう。
環境に慣らす
子犬は外の刺激に慣れていません。車や電車の音などに驚いてしまうことがあります。短時間でいいので抱っこ散歩に連れて行きます。近所を1周するなどある程度外の刺激に慣らしておくといいでしょう。このときに犬の大好きなおやつをあげて、外のイメージをよくします。
コンクリートや土に慣らす
犬を慣れさせるために、ベランダや庭におろして様子を見ましょう。おもちゃを使って遊ぶのもおすすめです。
リードや外の空気、コンクリートにも慣れてきて、家の中で一緒に歩くことができるようになれば、散歩に出かけられる準備OKです。ワクチンプログラムが終わるのを待ちましょう。
散歩の頻度
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必要な運動量という面で考えると、犬種によっては室内の運動量で十分足りることもあり、必ずしも毎日行く必要はありません。しかし、外を歩くことはとてもよい刺激になるため、可能な限りは散歩に連れ出してあげたいところです。もちろん、歩いたり走ったりすることが大好きな犬種では、ストレスをためないためにも基本的に毎日散歩に行ってあげましょう。
1回の散歩が短時間の場合や、外でないと排泄を我慢してしまうというケースでは、1日2回行ってあげるといいですね。また、初めての散歩は短めにして、夏は涼しい早朝や夕方、冬は暖かい日中に行くといいでしょう。行きたくなさそうな日は無理をせずに、様子をみてあげるようにします。老犬の場合は体調を考えながら、回数や時間を調整しましょう。
散歩時間と距離
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犬の散歩の時間、距離はどのくらいが最適なのでしょうか。頻度と同様に、犬のサイズや年齢によって必要な運動量は違ってきます。体の大きい犬や若い犬、運動が好きな犬種ほどより多くの運動量を確保する必要があります。
大まかな目安としては、小型犬の散歩の場合は20〜30分ほど、距離としては1〜2km程度です。中型犬は30〜40分くらい、距離は2〜3km程度でしょう。大型犬の場合は30〜60分ほどで距離は3〜4km程度という説もありますが、あまり時間にこだわり過ぎなくてもいいと思います。長く散歩ができなくても、ドッグランで全力疾走したり、ボールを取ってくる遊びをしたりすることで十分に満足できることもあります。散歩の時間と距離は、犬の反応を見て調節しましょう。
散歩のマナー
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愛犬との楽しい散歩で公共のマナーは守れていますか? 周りに迷惑をかけないよう散歩のルールを確認しましょう。
リードなしで散歩はさせない
よくしつけられているかどうかは関係ありません。突然の雷や地震でパニックになったり、車が歩道につっこんできたり、あるいは通りすがりの人に抱えて連れて行かれたりするかもしれません。リードをつけて愛犬を守ってください。
排せつ物の処理は飼い主の義務
あちこち排せつをさせるのはマナー違反。ウンチは袋に入れて持ち帰り、オシッコは水できれいに流しましょう。
公園の水道から水を直接飲ませない
公園にある水道の蛇口に犬の口をつけて水を飲ませてはいけません。持参の水飲み用器を使います。
公共の場でブラッシングはしない
公園のベンチなどでブラシをかけると毛が飛んで周りに迷惑をかけます。ブラッシングは自宅やサロンで行いましょう。
不特定の人や犬に近づけない
いろんな人や犬に慣れさせることは犬の社会化にとても重要なため、積極的に触合うことはいいことです。しかし、相手の許可なく近づけるのはやめましょう。
公共のマナーと散歩に必要な持ち物をきちんと確認して、愛犬との楽しい散歩に出かけましょう。
散歩の注意事項
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犬にとって飼い主との散歩は、運動不足やストレス解消だけではなく、その行為そのものを楽しみにしています。それゆえに注意を向ける部分があります。
散歩時間とコース設定
散歩の時間を一定にすると、犬は散歩に行ける時間だ!と覚えてしまうことがあります。その時間になると要求吠えをしたり、行けないことへ強いストレスを覚えたりすることがあるので、散歩時間はできるだけランダムにするようにしましょう。また、いつも同じ散歩コースだと、いつしかそこを自分のテリトリーだと勘違いし始め、社会化ができていない犬の場合は、自分の散歩コースで出会った犬に吠えたりするようになることもあります。あえて、いつもと違うコースを選んでみるのもいいでしょう。
天候によって時間帯を選ぶ
太陽が照りつける夏場の暑い時期は、犬にとってアスファルトの上は灼熱のように熱いのです。熱中症になったり、肉球を火傷したりするおそれもあるので、早朝や夕暮れなど涼しい時間帯を選ぶようにしましょう。夜の散歩には首輪やリードに装着できるライトがあれば安心です。また、雨の日はレインコートを着せてもいいでしょう。雨が強い日は、無理に散歩させないようにしましょう。
ひっぱらせない
リードをぐいぐい引っ張って歩く犬を見かけることはありませんか?これは飼い主さんの転倒にもつながりかねないので是非やめさせたいです。犬がリードを引っ張ると飼い主さんは仕方なく歩くので、犬は「リードをひっぱると進んでくれる」と勘違いします。引っ張ってるときは一切動かず、何かの拍子で犬が近づいてきてリードが緩んだら進むことで、「リードが緩むと進んでくれる」ということを覚えてもらいましょう。
犬の散歩には飼い主が把握しておかなければならないことがいろいろあります。きちんと理解して、愛犬との散歩の時間を大切にしてくださいね。