【獣医師監修】グレート・デーンと長く暮らすために知っておきたい病気のこと
大きなカラダと優雅な立ち姿が印象的なグレート・デーン。頭が良く、しつけもしやすいのに加えて、飼い主には従順で甘えん坊な一面もあり、家族の一員としての適性が高い犬種であるといえます。共に楽しい時間を過ごすために、グレート・デーンのかかりやすい病気について知っておきましょう。
- 更新日:
監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
グレート・デーンのかかりやすい病気
胃捻転、胃拡張
グレート・デーンのように胸が深い大型犬で起こりやすいことが知られています。勢いよくたくさんの食事を食べる、大量の水を飲む、食後すぐに運動をすることなどが原因になり得ます。胃が拡張したりねじれたりすることによって、低血圧性ショックや敗血症性ショックを起こすため、ただちに胃を減圧される処置が必要になります。
吐きたそうにしているのに吐けない、よだれが大量に出る、お腹が異様に膨れるなどの症状がみられたらすぐに受診が必要です。
胃捻転は緊急性が高い病気です。最悪の場合は、発症から2~3時間で命を落としてしまうこともあります。また、治療法は手術するほかありません。
肥大性骨形成異常
成長期のグレート・デーンが発症することが多いのが肥大性骨形成異常です。深刻な痛みを伴う炎症を脚の関節部分に起こしてしまうものです。原因としては、遺伝的な関係もありそうですが、成長期に過度の栄養やミネラルをとることも関わっていると考えられています。高熱が出たり、歩けなくなるほどの痛みが生じます。
このほかにも心臓病、腫瘍、眼疾患などが挙げられます。何か異常を感じたら、すぐ獣医師に相談できるような態勢を整えておきましょう。
グレート・デーンと長く暮らすために
普段から予防策を講じてあげることで、そのリスクを軽くすることができる病気もあります。できるだけ長く一緒に過ごせるようにケアをしてあげましょう。
胃捻転・胃拡張を防ぐためには、食事や水の大量摂取に気をつけなければなりません。食事を1日2回に分け、1回の摂取量を調整する、浅めの大皿を使ってゆっくりしか食べられなくするなどの対策をとりましょう。また、食後の激しい運動も禁物なので、散歩は食事の前に行くのがおすすめです。
肥大性骨異常形成は、過栄養にならないようかかりつけの獣医師と相談しながら、食事内容や給餌量を決めていくといいでしょう。
病気を未然に防いだり、早期に発見するためにも、定期検診を受けておくことが大切です。また、年齢を重ねていくにしたがって定期検診の間隔を短くし、初期症状がわかりにくい病気や、突発性の病気に備え、いつ何があっても対応できるという心構えで飼うようにしましょう。
グレート・デーンってどんな犬? 歴史や体の特徴について | PECO(ペコ)大型犬の中でもひときわ大きな体を誇るグレート・デーン。その迫力とは裏腹に温和な性格で、友好的な関係を築くことができる犬種です。この犬のルーツや特徴をみていくことにしましょう。
グレート・デーンの飼い方としつけについて 基本を知って仲良くなろう | PECO(ペコ)大型犬の中でもとくに大きなカラダを持ち、ゆっくりとした歩調で堂々と歩く姿が印象的なグレート・デーン。昔は猟犬や番犬として活躍したこの犬とは、どのように付き合っていけばいいのでしょうか。性格やしつけについてみていきましょう。