【獣医師監修】猫のトイレ しつけ方やトイレ環境、失敗した時の対策など
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【獣医師監修】猫のトイレ しつけ方やトイレ環境、失敗した時の対策など

猫は一般的にトイレをよく覚えてくれますが、時には粗相をしてしまうこともあります。そんな時はどうすればよいのでしょうか?

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

理想的な猫のトイレ環境

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猫を家庭に迎える時には、できる限り理想的な環境を整えてあげましょう。

場所

静かで、人の出入りが少ない場所に設置してあげましょう。

種類

普通のトイレかシステムトイレかを選びます。システムトイレは排泄のたびに砂を捨てる必要がないので、日中留守にしがちな人に向いています。システムトイレには専用の砂が必要です。

大きさ

あえて小さいトイレを好む猫もいますが、通常は猫の体長の1.5倍が理想的といわれています。

形状

壁が高いタイプ・低いタイプ、屋根があるタイプ・ないタイプなど、形状もいろいろあります。姿をすっぽり隠せるものを好む場合もありますが、屋根などで覆われているとニオイがこもりやすく、かえって嫌がることもあります。

猫砂

猫砂の素材には鉱物、紙、木、食品、シリカゲルなど様々なものがありますが、一般的に猫は粒子の細かいものを好むことが多いようです。システムトイレを使用する場合は、システムトイレ専用の猫砂を使います。

1匹だけ飼育しているのであれば1つで充分ですが、多頭飼育の場合は、猫の数+1個のトイレを用意してあげましょう。

猫のトイレのしつけ方

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猫は、生後3~4週を過ぎた頃から自力で排泄をするようになります。同時に、トイレのしつけもスタートします。

犬と比較すると、猫のトイレのしつけは簡単だといわれています。そのため、数回トイレの場所を教えるだけでできるようになる猫がほとんどです。しかし、トイレの場所を覚えても、ほかの場所で粗相するようになることもあります。

猫がトイレに失敗する時

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上述のように、トイレ以外の場所で粗相をするようになった時は、以下のような原因が考えられます。

泌尿器系の病気

膀胱炎のような泌尿器系の病気により、排泄をコントロールできなくなっているのかもしれません。おしっこの回数が増えている時や、色がいつもと違う時は、動物病院で診てもらいましょう。

トイレが気に入らない

場所が気に入らない

トイレの置き場所が悪く、猫が落ち着いて排泄できないのかもしれません。騒がしい場所や人の通り道などに置いている場合は、静かな場所に移動させましょう。

形状が気に入らない

トイレから急いで出てくるような時は、トイレそのものを気に入っていないのかもしれません。違う形のトイレを用意してみることを検討しましょう。

砂が気に入らない

普段から砂をかける行為を行わない、砂を極力踏まないようにトイレに肢をかけて排泄しているなどの行動がみられる場合、その猫砂を気に入っていない可能性が高いです。猫砂を細かい粒子のものに変えてみましょう。

ニオイが気に入らない

猫砂にニオイがついているような場合は猫砂を変えます。猫の排泄物のニオイがついているようであれば、トイレをしっかり水洗いしましょう。また、屋根つきのトイレで屋根の取り外しができる場合は、外してみるのもいいでしょう。

オス猫のスプレー行動

オス猫の場合、しっぽを高く持ち上げて広範囲におしっこを吹きつける「スプレー行動」をすることがあります。このスプレー行動は、場所に関係なく行われるので、結果としてトイレの失敗のようになってしまいます。この行動はオスのマーキング行為であり、去勢手術をすることで多くの場合行わなくなりますが、去勢をしていないオス猫との接触などがあると触発されてしまうこともあります。

とはいえ、しっかり排泄してくれるのは、猫が元気な証拠です。トイレの環境を整え、場所を教え、粗相をしないように促す…気持ちよくトイレができるように、飼い主としてしっかりケアをしてあげましょう。また、トイレの状態から猫の体調の変化がわかるので、日頃からどのような排泄をしているか、回数は何回かなどをチェックしておくと、猫の体調悪化の予防にもつながります。

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