猫びより
【猫びより】名水「側清水」の番猫【秋田】(辰巳出版)

【猫びより】名水「側清水」の番猫【秋田】(辰巳出版)

(猫びより 2018年3月号 Vol.98より)

  • サムネイル: 猫びより編集部
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最寄りはJR奥羽本線の大曲駅。秋田県の美郷町に日本名水百選に選ばれている清水があります。60箇所余の清水が湧き出ているこの六郷湧水群は、奥羽山脈と出羽山地に挟まれた盆地にあり、水量も豊富。日本人の心の奥にある、どこか懐かしさを感じる原風景をゆっくり歩いて名水巡りをしていると、心洗われるような爽やかさで心も体もリセットされる気がします。

神秘的なこの場所で湧き水を汲み、お地蔵様にお供えします

神秘的なこの場所で湧き水を汲み、お地蔵様にお供えします

そのひとつ「側清水(がわしみず)」は信仰の泉。1712年に地蔵菩薩が建ったときに湧き出したとされる泉で、そのお地蔵様を祀る小屋の中に、猫の番人がいました。

貫禄たっぷりの黒猫と思いきや、実は超おしゃべりで甘えん坊

貫禄たっぷりの黒猫と思いきや、実は超おしゃべりで甘えん坊

この日、外は冷たい風が吹いていましたが、小屋の中はロウソクの灯りでほわっと暖かく、黒猫の番人は椅子の上で熟睡中でした。地蔵に泉の水を汲んで供える人、ロウソクに願いごとを書いて供える人の姿が絶えません。

猫に声を掛けると、「もっとお供え物はないのかにゃ!」、「もっともっとゆっくりしていくにゃ~!」と去り難くなるアピール。

猫様が自分へのお供え物がないと悟った瞬間

猫様が自分へのお供え物がないと悟った瞬間

お向かいの商店に聞いたところ、猫の番人は何匹かいるらしく、今日は黒猫の当番。みんな名前はなくて、地域で可愛がられている猫たちだそう。「お供え物をみんな食べちゃうから困っちゃうね……」と笑顔で教えてもらいました。

この清水をイボに塗ると治る「イボとり地蔵」でもあります

この清水をイボに塗ると治る「イボとり地蔵」でもあります

病の治癒から受験合格まで何にでも御利益あり! 懐っこい猫番人もいる側清水。湧き水を持ち帰りお米を炊くとふっくらつやつやで美味しいとのこと。今度行くときはペットボトルをもっていかなくちゃ。

側清水

側清水


秋田県仙北郡美郷町六郷字小安門103-4

取材・芳澤ルミ子

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