【獣医師監修】猫の睡眠時間ってどれくらい? 年齢とも関係があるのでしょうか

猫は、仔猫の時も寝てばかりいますが、とくに寒い冬はコタツから動きません。猫の睡眠時間の平均は? 年齢によっても違うのでしょうか?

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

猫の睡眠時間と年齢との関係

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寝るのが仕事? と思うくらい猫はよく寝ます。猫という呼び名は、「寝子」からきているという説があるのも頷けます。時々アクロバティックな寝姿で、思いきり笑わせてくれる猫もいますが、寝相にも何か意味があるのでしょうか。

猫の睡眠時間は、平均すると一日12~16時間程度です。一日の1/2~2/3を寝て過ごすとはうらやましい限りですが、仔猫はもっと長く、一日に18~20時間程度眠るといわれています。10歳くらいの高齢になると、再び仔猫と同じくらいの睡眠時間になり、老猫になるにつれ、寝て過ごすことが多くなるようです。

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通常、睡眠は「ノンレム睡眠」といわれる、カラダも脳も休んでいる状態と、「レム睡眠」といわれる、カラダは休んでいて脳が覚醒している状態を周期的に繰り返します。これを「睡眠サイクル」と呼びます。
ただ、猫の睡眠はそのほとんどが「ウトウト」しているレム睡眠状態。一回の睡眠サイクルの中でも、深く眠るノンレム状態が6~7分なのに対し、レム状態は30~90分と長いのが特徴です。寝ているはずなのに音がする方に耳を傾けたり、ぱたぱたと尻尾を動かしたりするのは、レム状態である証拠といえます。熟睡している時間は、合計で3時間程度。猫も睡眠不足になるとイライラしやすくなるので、目をつむっている時は静かに寝かせてあげましょう。

猫の眠りが浅くて長い理由

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そもそも猫は、狩りをして獲物を捕らえる肉食動物です。狩りをするのに都合のよい夜に活動するため、昼間はたっぷり寝て、エネルギーを蓄えます。眠りが浅いのは、物音や異変に素早く気づいて、危険から身を守るため。エサを与えられ、狩りをする必要のない家猫が一日中寝てばかりいるのは、生まれ持った本能といえるでしょう。

冬になるとさらに寝る時間が長くなります。狩りをしていた頃、寒い時期は獲物が少なくなるため、それほど動く必要がありませんでした。冬になると、ひたすら寝てばかりいるのはその名残。寒さで脂肪を消費しないよう、ムダな動きを避けるためというのも理由の一つです。必要に迫られなければ動かないのが猫の習性ですが、ストーブの前やコタツから離れるのが嫌でトイレにも行かず、水も飲まなくなるとカラダをこわしてしまいます。実際、寒いところにトイレや水飲み場があると、我慢して行かない猫も多いので、できれば冬は暖かいところに設置してあげましょう。

寝ている時の姿勢や寝相の意味

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めいっぱいカラダを伸ばして眠る姿、小さな箱の中に収まって眠る姿など、無防備な寝姿を見て楽しむのも猫を飼う楽しみの一つです。あり得ない寝姿に、笑いを通り越して絶句した経験をお持ちの飼い主も多いのではないでしょうか。じつはその寝姿から、猫の飼い主への信頼度がわかります。

カラダを丸めて眠る

猫が丸くなって眠る姿はよく見る光景です。これは気温が低い時に熱が逃げないようにするためと、周りを警戒している時の寝姿です。危険が迫った時、すぐ逃げられるよう、足は床面につけたまま寝ます。

横向きに足を投げ出して眠る

丸くなって眠る時ほどではありませんが、少しだけ警戒している時は横向きになって足を投げ出して眠ります。この体勢なら、何があっても即座に逃げられます。

仰向けになって、お腹を見せながら眠る

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バンザイしながら仰向けになった寝姿は、カラダの熱を逃がすためであり、飼い主を信頼している証拠でもあります。無防備であればあるほど、信頼度が高いといえます。

同じ場所から移動しないで眠る

日中でも暗い場所で眠り、ほとんど移動しない時は病気の可能性があります。毛並みが逆立っている、呼吸が荒いなどの症状があれば病院に連れていきましょう。

寝たい時に寝る。猫ならではのフリーダムな行動ですが、じつは獲物を捕るために、こまめに寝て、体力を温存していたのですね。あり余った体力を夜中に発散しないよう、猫が起きている時はたっぷり遊んで、外で狩りをしている時と同じくらい消耗させましょう。そうすれば、夜もちゃんと寝てくれるはず!

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