症例
ゴールデン・レトリーバー 9歳 避妊メス 33kg
経過
1年前に飼い主様が左脇が腫れていることに気づかれました。柔らかく、痛みはありませんでした。
他院で検査を行なった結果、「脂肪腫」と診断され経過を観察しておりましたが、少しずつ大きくなってきたため、摘出のご相談のために来院されました。
来院時には、左脇の下にこぶし大の柔らかい「腫瘤」※が見つかりました。。特に歩き方に問題はありませんでしたが、これ以上大きくなる前に摘出したいというご家族のご希望もあり、摘出手術を実施することとなりました。
※腫瘤:癌、腫瘍以外に炎症などでも生じうる、できもの、はれもの、こぶなどの総称。
検査所見と治療方針
発生部位が脇の下であり、触診でその下の組織と固着していたため、筋肉や脇の下を通っている血管との位置関係を確認するために術前にCT検査を実施後、摘出手術を行うこととしました。
◯ CT検査所見
左脇の下の腫れは「脂肪腫」と思われ、周囲の筋肉の間への浸潤はありませんでした。
左脇の血管には浸潤していませんでした。
手術
皮膚を切開し、被膜を破らないように周囲組織から剥離して摘出しました。
病理検査
◯ 摘出した腫瘤:病理検査では「脂肪腫」と診断されました。
術後経過
遠方の患者様でしたので1泊入院とし、翌日に術創を確認後に退院としました。
手術から2週間後に抜糸を実施し、検診終了となりました。
コメント
本症例のように、腫瘤と周囲組織との位置関係や血管走行を確認したい場合、CT検査はとても有用であり、より確実な手術に繋げられます。
どうぞお気軽にご相談ください。
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文責:細谷芽里