手術症例(軟部外科)
13歳の犬にみられた子宮蓄膿症

症例

トイ・プードル  13歳  未避妊メス 2.6kg

経過

1週間前から元気と食欲がありませんでした。
嘔吐や咳、外陰部からの排膿など、他の症状は認められませんでした。避妊手術は受けていませんでしたが、もともと発情に伴う出血が少なく、最近では発情がなかなか把握しにくかったそうです。

検査所見と治療方針

血液検査で白血球数とCRP(炎症マーカー)が明らかに高く、感染と炎症が起こっていることが考えられました。また超音波検査では腫れた子宮内に濁った液体が溜まっており、外陰部からの排膿がないタイプの「子宮蓄膿症」と診断しました。まず点滴などによる内科治療を開始し体調を整えてから、卵巣とともに腫れた子宮を摘出する手術を行うこととしました。

◯ 超音波検査所見
膿が貯留し拡張した子宮

手術

開腹し、卵巣と子宮を摘出しました。
子宮は重度に腫れていましたが、幸いにも出血や破裂、腹膜炎はありませんでした。

◯ 手術画像
膿の貯留により腫脹した子宮。最も腫れていた部分は直径約5cm(*正常では1cm未満)。
子宮には血液の混じった膿が充満しており、子宮内膜が厚くなっていました。

術後の経過

手術翌日の朝から食欲は改善し、退院となりました。
2週間後検診の時には食欲は旺盛となり、飼い主様のご帰宅時には喜んで走ってお迎えに行けるようになったそうです。術創も問題なく、抜糸を実施し検診終了といたしました。

コメント

子宮蓄膿症は、発症すると命に関わる可能性のある病気です。出産させることを希望しない場合は、病気の予防の観点から避妊手術をご検討ください。
また、気になる症状がございましたら、どうぞ早めにご相談ください。

子宮蓄膿症についてのコラムはこちら

文責:細谷芽里

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