【獣医師監修】犬にヨーグルトを与えるメリットと注意点
犬に牛乳を与えるとお腹を壊す、という話を聞いたことがあるかもしれません。では、その牛乳を原料としているヨーグルトは、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、犬とヨーグルトの関係について解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬にヨーグルトを与えても大丈夫!
犬の腸には、人間と同じように善玉菌や悪玉菌が存在しています。腸内の善玉菌の量が増えて腸内環境が整うと、免疫力・抵抗力がアップし、感染症などにかかりづらくなります。この腸内の善玉菌を増やす働きをするのが、ヨーグルトです。
犬は牛乳を飲むと下痢をすることがあるので、ヨーグルトも犬の健康に害を及ぼすのでは、と考える飼い主も多いかもしれません。犬の下痢を引き起こす成分は、牛乳に含まれている乳糖です。犬はもともと、乳糖を消化する酵素をあまり持っていないので、牛乳を飲むと下痢をしてしまう場合があるのです。しかし、ヨーグルトは乳酸菌が乳糖の一部を分解してくれているので、牛乳よりも下痢をするリスクは低減されます。
犬にヨーグルトを与えるメリット・デメリット
では、ヨーグルトにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ヨーグルトが持っているといわれている効果について紹介します。ただし、人と犬は違う動物です。犬に与えた場合にも、まったく同じ効果が期待できるとは限らないので注意してください。
ヨーグルトのメリットとしては、まず便の調子が良くなることが挙げられます。腸内に善玉菌が増えることで腸内環境が整えられ、下痢・便秘といった症状の改善が期待できるほか、便のニオイも抑えられます。
また、ヨーグルトは発酵食品なので、消化を助ける酵素がたくさん含まれています。それにより、胃の調子や便通を改善してくれます。
さらに、ヨーグルトにはタンパク質だけではなく、カリウム、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2といった、健康に必要な栄養素が豊富に含まれているのもポイントです。
一方で、ヨーグルトにはデメリットもあります。上述の通り、下痢を引き起こす乳糖は牛乳と比べて少ないものの、完全に分解されているわけではないので、過剰に摂取してしまうと下痢をする可能性が高くなります。また、栄養素が豊富すぎるため、過剰摂取は肥満の原因となります。
犬に与えるヨーグルトの量の目安
犬の体格によって目安は異なりますので、与えた後は様子を見てあげてください。ヨーグルトを食べた後に下痢や嘔吐などの症状がみられた場合は、乳糖不耐症の可能性が考えられたり、体質に合っていないか、アレルギー反応を起こしている可能性もあるので、すぐに与えるのをやめましょう。
また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなってしまう場合もあります。愛犬の食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたい時などに参考にしてください。
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