【獣医師監修】犬にマグロを与えていい? マグロのメリットと注意点について
マグロは、動物性たんぱく質に優れ、良質な脂肪も持っている食材です。犬も喜んで食べますが、与える時には注意しなければいけない点があります。そこで今回は、犬とマグロについて解説していきます。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬にマグロを与えてもよい?
マグロは動物性たんぱく質に富み、学習能力を高めるとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)も多く含んでいます。しかし、大型の魚はカラダに含まれる水銀量が多いことも知られており、積極的に犬にあげる必要性はまったくありません。
マグロの部位と特徴
マグロの部位や栄養素について解説します。ただし、人と犬は違う動物です。人に必要な栄養素が、犬でもまったく同じとは限らないので注意してください。
赤身の部分は動物性たんぱく質に優れ、魚の中ではナンバーワンの含有量を誇ります。また、脂肪分は淡白な白身魚の代表格・タイよりも少ない、低カロリーの部位です。
また、血合い(マグロの筋肉をつくる細胞の中でも赤色筋繊維が多く集まった部分で、黒ずんだ赤みを帯びている。マグロのからだ側や背骨の周辺に多く見られる)は鉄分が豊富で、タウリンやビタミンEも多く含まれています。トロは脂肪部分が多く赤身の3倍のカロリーではありますが、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHAの宝庫。ビタミンA・D・Eも赤身よりも多く含まれています。
犬にマグロを与える時のポイント
それでは、犬にマグロを与える時には、どのような点に気をつければよいのでしょうか。生で与えても大丈夫といわれている食材ではありますが、念のため火を通した方がよいでしょう。もちろん、火を通して与える場合も、鮮度は良いものに限ります。また、骨が引っ掛かる可能性を考えて、小骨は取り除いてから与えるようにしましょう。赤身の部分も細かくカットし食べやすくしてあげると、消化を手助けすることにもつながります。
そして、犬がマグロを食べた後に、下痢や嘔吐などの体調不良を起こした時はすぐに中断することが大切です。この場合は、マグロがその犬の体質に合っていない証拠なので、以後マグロを与えない方がよいでしょう。
このように、マグロは犬にとって食べてはいけない食べ物というわけではありませんが、犬の体調やドッグフードの量とのバランスを、飼い主がコントロールする必要があるでしょう。
また、良質なフードをしっかり食べている場合は、それ以外の食事は基本的に必要ありません。ほかの食べ物を与えることで、それまで食べていたフードを食べなくなることもあります。食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたいと考えている時などに参考にしてください。
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