【獣医師監修】犬が前肢を高く上げる原因と対策

いつも元気に走り回っている犬が、前肢を高く上げている。そんな時は、病気やケガなどのトラブルを抱えている可能性があります。今回は、犬が前肢を上げる原因と対策について紹介します。

  • サムネイル: PECO編集部
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬が前肢を上げる原因

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犬が前肢を上げているということは、肢に異常を感じている証拠です。症状が軽度のものから重度のものまで、犬が前肢を上げる原因は様々ですが、大きく分けると以下のようなものが考えられます。

●肢に違和感がある
●肢が痛い

犬の歩き方に異常を感じたら、まずは肢をよく観察してみてください。病気やケガのほか、爪が伸びすぎていたり、肉球の間に何かが挟まったりしている場合も痛みを感じて肢を上げることがあります。

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病気やケガが原因の場合

犬が前肢を上げている時に考えられる病気やケガには、以下のようなものがあります。

肢や肢裏の外傷など

肢の裏に何か刺さってしまった、爪が巻き爪になって当たっている、肢の切り傷などの外傷が原因で前肢を上げることがあります。

捻挫・打撲

急激な方向転換や着地の失敗が原因で捻挫をしたり、前肢を激しく打撲したりすることで痛みが発生し、肢を上げます。

関節炎

老化、肥満、感染、免疫性疾患が原因となり、関節炎を発症することがあります。

脱臼

肩関節や肘関節、手根関節の脱臼により、痛みを感じて前肢を上げることがあります。高い場所からの着地や急激な方向転換、転倒などが原因で起こることも多いでしょう。また、先天的に関節が外れやすく、脱臼症状を起こす場合もあります。

骨折

交通事故や高所からの飛び降りのほか、小型犬では、誤って前肢を踏んでしまった、ドアに挟んでしまった時などで骨折することがあります。

腫瘍

肢や肢の裏の皮膚、骨などにできた腫瘍が原因となって、痛みや違和感から肢を上げることもあります。

犬が前肢を上げる時の対策

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愛犬が前肢を上げている時は、まず肢の様子を確認してください。肢の裏に異物が挟まっているだけならば、取り除くだけで治るケースもあります。肢に目で見て分かる異常がなくても、前肢を上げている場合は病気やケガの可能性が高いので、できるだけ早く動物病院へ連れていきましょう。

犬の前肢を健康に保つためには、まずケガの防止に努めることが重要です。そのためには、良質な食事と適度な運動でしっかりとした骨格や筋肉を育てることが大切です。また、散歩中に肢を傷つけることのないよう、環境にも気を配ってください。

また、日頃のコミュニケーションが、病気やケガの早期発見につながります。遊びやお手入れも兼ねて、こまめに犬のカラダの状態をチェックするようにしましょう。

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