【獣医師監修】犬のトイレ しつけ方やトイレ環境、失敗したときの対策など
犬のトイレはどうやってしつけたらいいの? 愛犬のためにトイレ環境を整えて、トイレトレーニングを成功させましょう。
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長
犬と暮らし始めて最初に覚えてほしいのは、やはりトイレです。犬は本来、安全で自分の寝床を汚さない、という条件さえクリアしていれば、決まった場所で排泄する習性はありません。そのため、決まった場所でするようにしつけるには根気や配慮が必要です。トイレの場所を覚えてきちんと排泄してくれるよう、しっかりトイレトレーニングをしなければなりません。
愛犬のトイレのしつけにはトイレトレー、トイレシート、サークル、クレートなどを利用することが多いです。トイレ環境からしつけ方、失敗したときの対策を解説します。
理想的なトイレの環境
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トイレのしつけの前に、きちんと準備してあげたいのが愛犬に合ったトイレ環境です。犬にとって理想的なトイレ環境は、落ち着いてトイレができる場所です。
トイレの場所は以下の3パターンが考えられます。
○大きめのサークル内にベッドと共に設置
○ベッドの場所とは別にトイレ単体で設置
○庭など屋外で排泄させる
日本では室内にトイレを作りそこで排泄させることが多いですが、庭があるご家庭では、犬を庭に出して排泄させることもあるかもしれません。室内で排泄させる場合は、ドアの近くなど出入りがある場所は避け、静かなところに設置してあげましょう。
トイレのしつけ方
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トイレトレーニングの方法は、将来どこにトイレを設置したいかによって異なります。
庭で排泄させたいという場合、まずはクレートトレーニングが必要になります。クレートとは、一般的に犬を入れて移動させるためのキャリーを指します。ケージやサークルよりもやや小さく、飼い主としては「窮屈でかわいそう…」と思ってしまうかもしれませんが、もともと穴倉状の巣穴で暮らしていた犬にとって、暗くて狭いクレートは寝床にぴったりの環境です。そのクレートに犬が自分から入り、落ち着いて過ごせるようにするためのしつけが、クレートトレーニングです。先述の通り、犬には自分の寝床では排泄をしないという習性があります。つまり、クレートを寝床と認識させることができれば、犬は基本的にそこで排泄をしなくなります。
クレートトレーニングが成功したら、こまめにクレートから屋外に出して排泄をさせましょう。そうすることで、犬に室内で粗相をする経験をさせずにすみ、「排泄は屋外でするもの」と覚えさせることができます。
次に、室内にトイレを設置するケースです。日本ではこちらの方が主流かもしれません。まず、サークル内にペットシーツを敷き詰めその中に犬を入れます。排泄をしたらよく褒め、排泄したペットシーツ以外のシーツはどかします。空いたスペースにベッドをいれてもいいでしょう。サークル内ではペットシーツに排泄ができても、サークルから出るとあちこちで粗相してしまう、と悩む飼い主も少なくありませんが、重要なのは根気とタイミングです。トイレトレーニング中の犬をサークルの外に出す場合は、排泄のタイミングを見逃さず、必要があれば犬をトイレまで運んであげましょう。ほんの5分でも犬から目を離す時は、サークルに戻すようにすると安心です。
サークルの扉を開けっ放しにした状態で、犬が自分からトイレに行くようになったらトレーニングは成功に向かっています。愛犬が完全にトイレをマスターしたら、サークルは片付けても大丈夫です。
失敗したら
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トイレのしつけ中は、サークルから出したら床の上に…ということも少なくありません。ここで大事なのは、決して犬を怒ったり、騒いだりしないことです。犬は「決められた場所以外で排泄をしたら叱られた」ではなく「飼い主の前で排泄をしたら叱られた」と考えるため、飼い主が見ている前では排泄を我慢するようになります。結果として、飼い主はますます犬の排泄のタイミングを見逃すことになり、トイレのしつけは難航します。
愛犬のトレーニングが成功すると信じて、焦らず、叱らず、覚えるまで繰り返し続けましょう。
愛犬がトイレを覚えてくれたら、たくさんほめてあげて、いっぱい喜んであげてください。犬はずっと見守ってくれる飼い主の愛情を感じ取り、より幸せな日々を送ることができるでしょう。