【獣医師監修】仔猫の目の色。成長に伴って色が変化する理由とは?
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【獣医師監修】仔猫の目の色。成長に伴って色が変化する理由とは?

仔猫がじっとこちらを見つめていたら、可愛らしさにメロメロになってしまいますよね。ところで、仔猫が成長していくにつれて、目の色が変化していくということを知っていましたか? 仔猫の目の色は、どうして変化するのでしょうか。

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監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

どうして成長すると目の色が変化するの?

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生まれてすぐの仔猫の目の色は、猫種に関わらず、すべて青色の目をしています。この目の青色のことを「キトンブルー」と呼びます。生まれたばかりの仔猫がキトンブルーの目をしていること、また、成長するにつれて目の色が変化していくことには、仔猫の体内にあるメラニン色素が関係しています。

猫が生まれた当初は、メラニン色素が働いていません。それが影響して、青色の目になっているのです。生後1ヶ月を過ぎると、メラニン色素が徐々に働き始め、生後2~3ヶ月頃には、その仔猫が持つ、本当の目の色に変わり始めるといわれています。ちなみに、生まれて間もなく目の色がキトンブルーであるのは、猫に限ったことではなく、ほとんどの動物で見られる現象だそうです。

子猫の目の色にはどれくらい種類があるの?

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猫が成長していくと、様々な目の色に変化していきます。猫の目の色がそれぞれ違うのは、目の虹彩と呼ばれる部分のメラニン色素の量が違うためです。虹彩のメラニン色素が少ないと、薄く透明感のある色合いになり、メラニン色素が多いと、より濃く深みのある色になります。

猫の目の色は、基本的に9種類に分けられます。順にみていきましょう。

青系の目の色

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青系の色には、「サファイヤブルー」、「ブルー」、「アクア」の3種があります。目の色が青く見える猫は、メラニン色素をほとんど持っていません。

ちなみに、青く見えているだけで、本来の目の色はほとんど透明です。透明なはずの目が青く見えるのは「レイリー散乱」と呼ばれる現象によるもので、猫の目に含まれるメラニン色素が波長の長い光を吸収し、残った光だけを人間が認識するため、ブルーに見えるのです。これは、空が青く見えるのと同じ原理です。なお、純血種以外で全身の毛が白い猫の場合、目の色が青いと高確率で難聴を持っているといわれています。

緑系の目の色

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緑系の色には、「グリーン」、「ヘーゼル」の2種があります。青系の目の色の次に、メラニン色素が少ない種類になります。このタイプの目を持つ猫は、ヨーロッパにルーツを持つ猫種に多くみられます。

黄色系の目の色

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黄色系の色には、「イエロー」、「ゴールド」の2種があります。メラニン色素の量は、全9種の中で大体中程度といわれています。日本の猫はこのタイプが多く、黒猫に多い目の色でもあります。

褐色系の目の色

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褐色系の色には、「オレンジ」、「カッパー」の2種があります。全9種の中でもっともメラニン色素が多いのが、このタイプです。黄色系と同様に、日本の猫によくみられる色といわれています。

例外

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この9種類の他にも、珍しい目の色をした猫が存在します。「オッドアイ」と呼ばれる色は、片目ずつで色が違う目のことをいいます。先天性の場合は、白猫に生まれる確率が高く、白猫の25%はオッドアイであるといわれています。事故や病気の影響で、後天的にオッドアイになるケースもあります。また、白猫でオッドアイの場合、ブルーの目をした方の耳は、聴覚障害があるケースが多いといわれています。

他にも「ダイクロックアイ」と呼ばれるものがあり、これは一つの目の中で、色が2色に分かれている目の色のことで、非常に珍しいケースです。

最後に、アルビノと呼ばれる、先天的にメラニン色素を作れないカラダに変異する遺伝疾患があり、これにかかった猫の目の色は「レッド」になります。

仔猫の目の色は、メラニン色素との関係で変化していきます。また、目の色によっては、病気や障害がある場合もあります。目の色の変化に注目してみると、愛猫の新たな魅力や病気などの発見につながるかもしれません。

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